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清水 483日ぶりJ1白星!テセPK弾守り抜く

[ 2017年3月5日 05:30 ]

明治安田生命J1第2節   清水1―0広島 ( 2017年3月4日    Eスタ )

<清水・広島>後半8分、PKを決める清水FW鄭大世(左)
Photo By スポニチ

 清水は敵地で広島と対戦し、今季初勝利を挙げた。J1での白星は15年11月7日の山形戦以来で483日ぶり。後半8分、主将のFW鄭大世(33)がPKで先制。組織的な守備も実り、攻撃的な相手を完封した。2季ぶりに昇格後初の勝ち点。次節11日のアウェー新潟戦で必ず上積みする。

 記録づくしの26得点を昨季稼いだ背番号9の物語は、まだまだ続きがあった。後半開始早々、DF松原后(20)がエリア内で倒されてPKを獲得。ボールをセットした鄭は普段通りにたっぷりと間を置き、ゆっくりと動きだしてから右足を振り抜いた。左隅のネットが揺れたことを確認すると、ゴールに背を向けて笑顔で仲間を迎えた。

 「開幕戦で決められなかったことに責任は感じていた。みんなで獲ったPKを代表して決めただけです」

 PKには絶対的な自信を持つ。鹿児島キャンプ中に柏との練習試合で止められたが、「全然大丈夫でした。練習通り。柏のときは当たりどころが悪くて、そのミスを直して練習していた」。今週も居残ってPK練習を行い、芯を捉えた威力あるボールを蹴り続けた。努力はチームにとっても第1号となり「最初の勝利を手にしないとどんどんプレッシャーがかかる。1回勝ったことは次につながる」とうなずいた。

 今季からプロ初の主将を任され、自覚が増した。前半から自身のパフォーマンスが良くないことに気付き、小林伸二監督(56)に「残り10分で代えてください」と直訴。後半29分にFW北川航也(20)と交代した。「正直迷いました。主将として最後まで走りきるか。でもフレッシュな人が追い回した方が良いと思った」。個人の結果よりもチームの勝利。覚悟の表れだった。

 組織力も開幕戦とは見違えた。鄭は「神戸戦は降格がよぎった」と危機感を抱いていただけに「今日は凄く大きな勝ち点3」と満足。負傷者続出などで入れ替えがあった中、昨季J1で3番目に多い58得点を挙げた広島を完封。MF枝村匠馬(30)やFW金子翔太(21)らの前線からの守備で決定機をほとんど与えなかった。前後半ともに立ち上がり良くリズムをつかみ、耐えるところは耐えた。

 課題として見えたボールを奪った後のミスや、好機を再三逃した決定力不足は今後の伸びしろでもある。新潟戦へ「今も終盤も勝ち点(の価値)は一緒。叩いておかないと」。今月2日に33歳の誕生日を迎えたばかりのエースもチームも成長途中。開幕2戦目での白星で名門復活への大きな弾みにする。

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2017年3月5日のニュース