×

J1昇格のセレッソ尹晶煥監督 目標は「9位」そこから“上方修正”へ

[ 2017年2月25日 07:20 ]

明治安田生命J1開幕戦   C大阪―磐田 ( 2017年2月25日    長居ス )

柿谷(左)と言葉をかわす尹晶煥監督
Photo By スポニチ

 17年のJリーグが、25日に開幕する。3年ぶりにJ1で戦うC大阪を今季から率いるのは、クラブOBで元韓国代表MFの尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督(44)。厳しい練習で知られる指揮官は、いかにチームを作り上げていくのか。スポニチ本紙のインタビューに応じ、自らの「家」と語るクラブで臨むシーズンに向けて抱負を語った。

 ――まずはC大阪の監督に就任した経緯を。

 「鳥栖での実績や練習方法が、今のセレッソに必要とされたんだと思う。実は蔚山の監督になる前(14年)にもオファーをもらったけど、韓国に戻らないといけない事情があった。今回は“C大阪で何かをやりたい”と思ったし、2度目のオファーで断りにくかった(笑い)。実際に監督として戻ってみて、大勢の人に歓迎されて、家に帰ってきた感じがする。いい環境で仕事ができている」

 ――選手の印象は?

 「最初はシャイかなと思ったけど、仲良くしようと近づいていったら変わってきた。セレッソの選手は、良い意味で“サッカーにはまっている”という印象。情熱的だし、どんな練習をしても“やろう”という姿勢が見える。監督としては3チーム目だけど、その姿勢は一番、良く見える。だから、リーグが始まって結果が早くついてくれば、予定よりもチームが早く成長できるんじゃないかという手応えがある」

 ――チームをどのように変えるのか?

 「クルピ監督がいらっしゃったときのC大阪は、自由が多かった。それを少し制限することが必要だと感じている。チームには規則があって、グラウンドの中でも規則は必要。それを強制するんじゃなく、規則の中での自由を探していこうと思っている。プロの世界では結果が最も大事。勝つために何が必要かを常に考え続ける。高い集中力を持ってやり続ける。その辺は足りなかった」

 ――就任後は噂の3部練習も実施した。

 「昔みたいに長く走ったりはしないから、きつくはないと思う(笑い)。自分が現役の時は4部練習もやっていた。午前は6時30分からと9時30分から。午後は2時30分か3時30分からで、最後が午後8時30分か9時から。練習して、食べて、寝て。それしか考えられなかった」

 ――鳥栖時代の走るサッカーをC大阪でも?

 「サッカーは元々、走るスポーツだから。能力を持つ選手たちが走れるようになれば、より良い結果がついてくる。これまでのセレッソのスタイルが正解だったのでしょうか。良い結果を得られたのかどうかというと、必ずしもそうではなかった。派手でオシャレな選手がいるからそう見えるかもしれないが、結果的にはJ2にも何年かいた。“セレッソは攻撃的”というイメージが先行してきたけど、それで必ず勝てるわけじゃない。勝てるチームこそ、みんなが好きになるんじゃないでしょうか。攻撃をしたくても、ボールがなければ攻撃はできない。そういう点をもう少し考える必要がある」

 ――就任1年目。今季の目標を。

 「セレッソは十分、J1で戦えるチームだと思う。昇格1年目から優勝やACL出場という夢を持ってもいいが、最初から大きな夢を掲げるより、もう少し段階的にいこうとフロントとも話した。18チーム中の真ん中、その中で2ケタよりも1ケタの方が良いということで9位という目標を設定した。ただ、実は前半戦の目標も9位にしている。もし前半戦で9位以内に入っていれば、もっと上を目指すために、目標設定を変える必要があると思っている」

 ◆尹晶煥(ユン・ジョンファン) 1973年2月16日、韓国・光州広域市出身の43歳。東亜大学校から油公に入団し、00〜02年にC大阪在籍。03年に韓国へ戻り06年に鳥栖入団。07年シーズン限りで引退。韓国代表では国際Aマッチ通算38試合出場3得点。11年から14年8月まで鳥栖の監督を務め、12年は年間5位。15年から蔚山現代の監督に就任し、1年目は7位、2年目が4位。今季からC大阪監督。

続きを表示

2017年2月25日のニュース