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25年目のJリーグ、DAZNマネーを未来のために使ってみては

[ 2017年2月23日 08:59 ]

Jリーグ放映権契約発表で手を合わせる(左から)パフォーム・グループのジェームズ・ラシュトンCEO、Jリーグの村井満チェアマン、NTTの鵜浦博夫社長
Photo By 共同

 まもなく25年目のJリーグが開幕する。3年ぶりに1シーズン制に戻るほか、パフォームグループと10年間で2100億円の大型契約を結び、同グループが運営するライブストーミングサービスのDAZNで、J1からJ3までの全試合がライブ配信される。J1の各クラブへの分配金は1億8000万円から3億5000万円に増額、J1の優勝賞金は1億円から3億円、さらにACLでいい成績が残せるようにJ1の上位チームには強化配分金も支払われ、優勝すれば最大3年間で総額22億円もの巨額の収入が得られる。

 その大金をつかむために、各クラブはこのオフから先行して補強費を使い、補強した。鹿島や浦和、川崎Fなどの上位チームだけでなく、FC東京や神戸、鳥栖も積極的に補強し、戦国リーグの様相を呈している。

 さて、DAZNマネーをリーグに参加しているクラブの戦力強化や経営安定のために使うのはいいことだが、ぜひとも未来への投資もしてほしい。日本のサッカー界を見渡すと、Jリーグのレベルは上がり、代表チームもだいぶ進化した。その上で足りないところは育成とセカンドキャリア、そして、スタジアム問題だろう。

 育成に関してはJリーグと日本サッカー協会がJFA・Jリーグ共同プログラム(JJP)を設立。Jリーグが日本協会へ「主催料」として納めている入場料収入の3%、年間5億円を「アカデミーから多くの選手を世界で通用するように育てたい」と、アカデミーの充実に使っている。DAZNマネーの一部をここに使うのもいいだろう。そして、ぜひ検討してほしいのがスタジアムの整備だ。昨年完成した吹田スタジアムや今春完成する北九州市のミクニワールドスタジアムはいずれもtotoの売り上げの一部が投入されている。パフォームグループからの収入のうち、毎年10億円、数年積み立てまとまったお金にし、Jリーグを窓口に、スタジアムを建設する資金の足しにしてはどうだろう。

 2002年のW杯開催時、日本にスタジアムがいくつも建設されたが、大半が“陸上競技場”だった。国体開催のための費用などをやりくりした結果だが、その時新設されたサッカー専用スタジアムは埼玉スタジアムと神戸ぐらいだ。陸上競技場とサッカー専用ではスタンドとピッチまでの距離が違い、臨場感が違う。サッカーはやはりサッカー場で見たいもの。選手も同じ気持ちだろう。せっかくのビッグスポンサーがついたチャンス、そういう使い道も検討してはどうだろうか。(大西 純一)

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2017年2月23日のニュース