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J3相模原、10年目の大変革 「人間力」と「高さ」で新戦力選考

[ 2017年2月3日 11:05 ]

 発足10年目を迎えたJ3相模原がチームを大きく刷新した。2月3日時点で、新加入選手はなんと15人。昨季とはまるで別チームだ。移籍2年目、背番号が23から1に変更となった元日本代表のGK川口能活(41)は「これからコミュニケーションを取り、いろんなものを共有したい。ポジション争いは緊張感があります。これをシーズン通して続けていければ。いい雰囲気」と歓迎している。

 新加入選手の選考方法がユニークだった。キーワードは2つ。まずは「人間力」。安永聡太郎監督は新たな選手を獲得するに当たり「どの選手も、その周囲にいる、少なくとも3人から話を聞きました。少しでもネガティブな、チームにマイナスになるような話が出て来た選手の獲得には動かなかった」と話す。徹底した“身分照会”を行い、チームのために全力を尽くせる選手のみを集めた。

 次は「高さ」。新戦力のうち、DF岡根直哉、梅井大輝、FWジョンの3選手が身長1メートル90を超す。その他にも4選手が1メートル80超。元日本代表MFの望月重良代表は「J1、J2でもフィールドに3人も身長1メートル90を超す選手が揃うチームはないでしょう」と笑う。同時出場が実現すれば“相模原山脈”は他チームにとって大きな脅威となるはずだ。

 チームの発足は08年2月。その前年、望月代表が相模原市内の小料理屋の大将から「相模原にサッカーチームをつくってくれ」と言われたのが始まりだった。元日本代表が中心となって立ち上げたチームは神奈川県リーグ3部を皮切りに一気に階段を駆け上がった。08〜12年まで各カテゴリーで優勝を重ね14年からはJ3に参戦。順風満帆だった。だが昨季は9勝13敗8分けと負け越し、初めて2桁順位の11位に低迷。思い切ったチームの変革、第2章への突入は必然だった。

 相模原は本拠スタジアムの照明や座席数の問題から現在J2ライセンスがない。それでも昨季から加入した川口は「試合に勝つことで行政、スポンサーもサポーターも味方にしたい。そういう意味では負けが許されない」と話す。勝ち続け、確かな実績を重ねることで将来的なJ2、J1への道が開けてくる。17年シーズンに向け「1番期待できる編成になった」と望月代表。J3に新たな相模原旋風を巻き起こしそうだ。

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2017年2月3日のニュース