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W杯拡大、開催国はコスト増…日本単独開催にハードル 試合数64→80

[ 2017年1月11日 10:40 ]

W杯26年大会から48チームに拡大

元日本サッカー協会会長の小倉純二氏
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 W杯出場国枠増のメリットは、特にアジアやアフリカなどが享受する。「本大会に出ることは名誉なことだし、日本にとっても、出場チャンスが増えることはありがたい」と元FIFA理事で元日本サッカー協会会長の小倉純二氏(78)は評価した。

 ただ、参加国が増えることはプラス面ばかりではない。小倉氏は「参加国が多くなるから、ホスト国が大変」と大会試合数が64から80に増加するとコスト面を含めた開催国の負担が増えることを懸念する。さらに1次リーグの一部を開催国以外で行う可能性も否定できない。実力差がある国との対戦が増加するため、試合の質の低下も課題だ。また「(アジアが仮に4・5カ国から)8・5カ国ならどうやって選ぶのか」と予選方式の決定方法も難題と指摘した。

 複雑な思いを口にしたのは小倉氏ばかりではない。現行の条件で2018年大会の出場権獲得を目指す日本代表の手倉森誠コーチは、将来的に出場へのハードルが低くなることに「本大会での試合数が変われば、過去の大会と比べて今、日本がどの位置にいるかという比較も難しくなる。過去の歴史と比べられなくなる」との懸念を表明。日本協会で技術委員長を務めた霜田正浩氏は、3チームによる1次リーグでは「あっさり2試合で終わる可能性も高まり、W杯に出やすくなると喜んでばかりはいられない」と話した。

 理事会に出席した日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「利益を多くの国と共有したい。アジアの出場枠はこれから話し合うが、1つでも2つでも3つでも多くなってほしい」と出場枠が増えることを歓迎。開催国の負担増により今後は開催能力のある国が限られそうだが、日本は50年までにW杯を自国開催して優勝するという長期的な目標「2005年宣言」を掲げている。田嶋会長は「今すぐ、イエスという答えを出せるわけではないが、日本の単独開催で十分できると思っている」と将来的な単独招致に強い意欲を示した。

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