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オフはなるべく均等に 天皇杯決勝をリーグ最終戦の前に実施すればスムーズに

[ 2017年1月8日 11:00 ]

天皇杯を制し喜びを爆発させる鹿島イレブン
Photo By スポニチ

 不思議な冬だった。11月23日から始まったCSで浦和、川崎F、鹿島が激突。優勝した鹿島はクラブW杯に出場、決勝に進出してレアル・マドリードと対戦するなど鹿島がクローズアップされた。さらに天皇杯で8強に残っていたチームは12月23日に準々決勝を戦い、決勝に進出した鹿島と川崎Fは元日で全日程を終了した。質の高い試合が行われ、サッカーファンも堪能することができた。

 その一方で、天皇杯で早々に敗退した名古屋や磐田、甲府、福岡などは11月3日のJ1最終節で全日程を終了、長いオフになった。鹿島、川崎Fより約2カ月も長い。トーナメントだから勝ったチームが残るのは当然だが、試合をしているチームが絞られ、違和感が残るシーズン終盤になってしまった。

 一番の原因は天皇杯決勝を元日に行うから。1969年に天皇杯決勝を元日に行うようになってサッカーの普及発展に役立ったことは間違いない。だが、Jリーグができてサッカー人気が定着してきただけ、時代に合わせることも必要だと思う。天皇杯決勝に合わせてリーグ戦の日程を動かすことも一案だが、それより天皇杯決勝をリーグ戦最終戦の前に行えばスムーズな日程になる。

 欧州の強豪国などではカップ戦の決勝はリーグ戦の最終戦の前に行われるのが大半だ。後に行われるとしても1週間後ぐらいで、昨年の日本のように2カ月後というのは例がない。そして何よりチームによってオフの期間が変ってしまう。オフは次シーズンへ向けて準備する大切な期間。天皇杯決勝に進出した鹿島や川崎Fはすぐに新シーズンへ向けて始動しなければならない。2カ月じっくりと準備したチームと“差”ができてしまい、今季序盤の戦いに影響が出るのは間違いない。

 リーグ戦の質を高めるためにも、オフはなるべく均等に近くするべきだ。Jリーグの秋開幕ともリンクするが、それより天皇杯をリーグ戦最終戦の前にする方が簡単だ。J1のチームにしてみれば、リーグ戦のほかにルヴァン杯、天皇杯、チームによってはACLもあり過密だ。今季から日程を緩和するために天皇杯決勝大会は4月に始まり、J1、J2勢は6月に初戦を迎える。以前は夏までに決めていた都道府県代表は、今年は4月9日までに決定する。元々東京都大会は1、2月に始まっていたが、いずれは「決勝は1年半後」と、リーグ戦より長丁場の大会になってしまう。天皇杯は日本で唯一、プロでもアマでも日本協会登録チームならどのチームでも参加できる大会だ。いろいろな意見はあるだろうが、あり方も含めて決勝戦の日程を検討してほしいものだ。(記者コラム・大西 純一)

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2017年1月8日のニュース