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鹿島、延長戦制し天皇杯制す 今季2冠&通算19冠目 川崎Fまたも初タイトルならず

[ 2017年1月2日 05:30 ]

前半42分、鹿島・山本侑斗(左)は先制ゴールを決める
Photo By スポニチ

 第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会は元日に大阪・吹田スタジアムで決勝戦が行われ、鹿島が延長戦の末に2―1で川崎Fを下して第90回大会以来6大会ぶり5度目の優勝。J1年間王者と合わせて今季2冠を達成し、史上最多を更新する19冠目のタイトルを手中にした。

 クラブ史上初の天皇杯決勝進出を果たした川崎Fだったが、11月23日のJリーグチャンピオンシップ(CS)準決勝で敗れた鹿島にまたしても屈する結果となり、悲願の初タイトルはならず。4年半務めた川崎F監督を今季限りで退任し、J2名古屋監督に就任する風間八宏監督(55)と、FC東京へ移籍するFW大久保嘉人(34)を優勝で送り出すことはできなかった。

 お互いの意地と意地がぶつかり合う頂上決戦は、前半から激しいプレーの連続となった。前半19分には鹿島のMF小笠原満男(37)がドリブルで仕掛けたところを川崎FのFW小林悠(29)に倒され、近くにいた川崎FのMF中村憲剛(36)が戻したボールが体に当たったことから小笠原が激高し、両チームの選手が小競り合い。直後の同20分にはボールの競り合いの中で鹿島DF西大伍(29)が振り上げた右足が川崎FのDF登里享平(26)の後頭部に当たり、悶絶する登里の姿にFW大久保嘉人(34)が鹿島への怒りを露わにするなど、一触即発の緊張状態で試合が進行した。

 CS、クラブW杯、天皇杯と昨年12月だけで7試合をこなした鹿島は、過密日程の中で体調不良を訴える選手が続出。この日の決勝でもエースのFW金崎夢生(27)がベンチを外れるなどチーム状態は万全ではなかった。だが、前半42分、MF遠藤康(28)が蹴った右CKにファーサイドで反応したDF山本脩斗(31)が頭で決めて先制。12月29日の天皇杯準決勝・横浜戦(長居)で左ひざ裏を打撲し、翌30日の練習を休んでいた山本だったがゴールでチームに貢献し、前半を1―0と鹿島のリードで折り返した。

 後半9分、川崎Fの小林にゴールを決められ、試合は1―1で延長戦へ突入。だが、鹿島は延長前半4分、ペナルティーエリア内でこぼれ球に反応した途中出場のMFファブリシオ(26)が右足で豪快に決勝ゴールを叩きこんで試合をものにした。

 川崎Fは後半9分、MF大島僚太(23)のパスを小林がスルー。MF三好康児(19)のスルーパスに反応した小林が右サイドからペナルティーエリア内に進入し、切り返して相手選手をかわすと左足でシュートを放って対角線上のゴール左隅に流し込んで同点に追いついたが、延長戦で涙を飲んだ。

 なお、天皇杯優勝が鹿島に決まったため、2月18日に行われる富士ゼロックススーパー杯(日産ス)は鹿島と、J1リーグ戦2位の浦和が対戦することが決まった。

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2017年1月2日のニュース