×

弾斗FKダ〜ン!!夏冬連覇へ市船好発進「頭が真っ白でした」

[ 2017年1月1日 05:30 ]

第95回全国高校サッカー選手権1回戦   市立船橋(千葉)1―0京都橘(京都) ( 2016年12月31日    フクアリ )

<市立船橋・京都橘>後半26分、市立船橋の杉山(左端)はFKを直接決める
Photo By スポニチ

 31日に1回戦の残り15試合が行われ、優勝候補の市船橋(千葉)が京都橘を1―0で下した。Jクラブ入りが内定している4選手が同時にピッチに立つ注目のカードは、後半26分に伏兵のDF杉山弾斗(だんと、2年)が公式戦初となる直接FKでのゴールで勝利の立役者となった。他に鹿島学園(茨城)などが初戦を突破。2日には2回戦16試合が行われる。

 ヒーローになれる予感がした。後半26分、市船橋の2年生DF杉山が直接FKを志願した。「普段はしないけど、決められそうな気がした」。中央約20メートルの位置から左足を振り、壁に当たりながらも勢いは衰えずにゴール右に突き刺さった。自身公式戦初の直接FK弾が決勝点となり、世代屈指のFW岩崎を擁する京都橘を撃破だ。

 「頭が真っ白でした」。ベンチへ猛ダッシュすると、イレブンにもみくちゃにされた杉山の名は弾斗(だんと)。サッカー経験者の父が元フランス代表のジダン(現Rマドリード監督)の2文字を借りて付けた。「弾はジダンのダンです。ジダンと名付けようと思ったみたいですが、ジダンは違うだろ、ということでダントになりました」と杉山。ジダンは98年W杯フランス大会でチーム母国大会優勝へ導いた。その翌年の99年に生まれ、英雄のプレー映像を見て育った17歳が値千金のゴールを決めた。

 反骨心の塊だ。FC東京U―15むさしジュニアユースから同ユースへの昇格はかなわず、当時同ユースが昇格したプレミアリーグで戦う名門・市船橋をあえて選択。「FC東京を倒せるチームに行きたい。成長できるのはイチフナだった」。1年からメンバー入りを果たしたが、朝岡監督から「おまえが変わらないと使わない」と主力としてさらなる奮起を促されたこともある。FK練習を日課とし、勝利に導いた左足FKはたゆまぬ努力の証だった。

 序盤は浮足立ち、左サイドバックの仕事を全うした実感はない。「(得点以外の)他の仕事もしないと」と指揮官は注文を付け、杉山も「この得点は忘れた方がいい」と足元を見つめ直した。戦後最多タイとなる大会6度目の優勝、チーム初の夏冬連覇へ。伏兵もそろう優勝候補筆頭が、力強くスタートを切った。

 ◆杉山 弾斗(すぎやま・だんと)1999年(平11)5月20日生まれ、東京都出身の17歳。父の影響で幼稚園の頃からサッカーを始める。中学時代はFC東京U―15むさしに所属。市船橋では1年から主力メンバーに入り、15年夏の総体準優勝に貢献した。U―17日本代表にも選出された。1メートル75、63キロ。利き足は左。

続きを表示

この記事のフォト

2017年1月1日のニュース