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ジダン監督“W栄冠”選手&指揮官で史上4人目の快挙

[ 2016年12月19日 06:30 ]

クラブW杯決勝   Rマドリード4―2鹿島 ( 2016年12月18日    横浜国際 )

鹿島戦の延長後半、途中交代のC・ロナウド(左)を迎えるレアル・マドリードのジダン監督
Photo By 共同

 なりふり構っていられなかった。延長開始直後。レアル・マドリードのジダン監督は、鹿島ベンチ前まで飛び出して必死の形相で指示を送った。その気合は銀河系軍団に伝わり、直後にC・ロナウドが2得点。追いすがるJリーグ王者を振り切った。「ご覧のように苦しんだ。ただレアルの偉大さは決して屈服しないこと。このタイトルはクラブにとって重要だ」。元フランス代表のスター指揮官は、表彰台の最後方で控えめに歓喜。イレブンから胴上げされると満面の笑みを浮かべた。

 普段は温厚だが、内には熱い闘志を秘める。象徴が“頭突き事件”だ。現役最後の試合となった06年W杯決勝イタリア戦。姉を侮辱した相手DFマテラッツィの胸を頭で強打し一発退場となった。「選手時代に我を忘れたことはないし、監督になっても同様だ」と話した4月には2戦連続で試合中にズボンが破れた。ベンチ前で選手と一緒に戦っていた証拠だった。

 今年1月4日に就任してから349日。欧州CL、欧州スーパー杯に続いて早くも3つ目の主要タイトルを獲得し「16年はクラブ、選手たちにとって本当に素晴らしい年になった」。選手時代に前身のインターコンチネンタル杯(トヨタ杯)で優勝しており、監督と両方でクラブ世界一に輝いたのは史上4人目。Rマドリードでは初の快挙だった。

 4月から続くクラブの無敗記録は37試合まで伸びた。名選手、名将にあらず。新人指揮官はその格言を覆す実績を積み始めている。

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2016年12月19日のニュース