×

名古屋の“名物ホペイロ”退団 本田ら代表からも信頼厚く

[ 2016年11月30日 13:24 ]

 クラブ史上初のJ2降格が決まった名古屋の“名物ホペイロ”松浦紀典氏(45)が30日、自身のブログを更新。今季限りでの退団を表明した。

 「ご報告」と題し「今季をもちまして名古屋グランパスとの契約が満了になり、チームを離れる事になりました。今現在、あまりにも突然のことでしたので驚いています…。グランパスに骨を埋める覚悟でホペイロとして、チームの為!選手の為!にと日々努力してきたつもりです。愛する我がチームの名古屋グランパスで仕事ができなくなるのが非常に残念で悔いが残ります」と無念の心境をつづった。

 ホペイロとはポルトガル語で「用具係」を意味し、松浦氏は選手のスパイクのケアやユニホーム(練習着)の準備など全ての用具を管理。93年のJリーグ開幕とともに日本人初のプロホペイロとしてV川崎(現J2東京V)でキャリアをスタートさせ、03年から14年間、名古屋で選手の身の回りの世話をしてきた。

 日本代表MF本田圭佑(30=ACミラン)や同DF吉田麻也(28=サウサンプトン)とも親交が深く、スパイクのケアだけではなく“加工”の技術も一流だ。本田は固定式、取り替え式のスタッドだけではなく、その2つを合わせたミックスソールも使用。固定式のスタッドの一部を削り、そこに取り換え式のスタッドを装着させた。また松浦氏は本田が契約するミズノ社と協力して、14年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会では縦回転のシュートを決めるためのスパイク開発にも尽力した。

 今夏、電撃復帰した元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)も松浦氏が日々連絡を取り合っていたからで、FW永井謙佑(27)や磐田に移籍したFW川又堅碁(27)も、入団の決め手の一つとして松浦氏の存在があったという。役回りは「用具係」にとどまらなかった。

「突然のことでしたので、来季の自分は何をしているか?まだ何も決まっていません」と来季以降は白紙。闘莉王だけではなく、MF小川佳純(32)やDF竹内彬(33)ら功労者が大量退団する中、裏方としてチームの屋台骨を支えてきた功労者も解雇となった。

続きを表示

2016年11月30日のニュース