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【山雅の宿題】(1)リーグ最少失点も…もろかった後半31分以降

[ 2016年11月29日 09:10 ]

昇格PO準決勝で後半ロスタイムに失点し、悔しがる松本GKシュミット(右奥)ら
Photo By 共同

 J2でクラブ史上最多の勝ち点84を積み上げながら3位にとどまり、27日のJ1昇格プレーオフ(PO)準決勝で6位・岡山に敗れてJ2残留が決まった松本山雅。例年なら自動昇格が決まってもおかしくない成績を残しながら、あと一歩届かなかった16年シーズンは何が足りなかったのか。3回にわたって検証する。

 2位・清水と勝ち点で並びながら、得失点差でJ1自動昇格圏外の3位に終わり、誰もが勝ち点1の重みを強く感じた一年。悔やみきれない結果となったが、今季の山雅は間違いなく、J参入5年目で最も守備が堅かった。リーグ戦42試合で零封は20回。失点32、敗戦6はリーグ最少だった。

 課題に挙げていた後半31分以降の失点もリーグ最少に並ぶ8を記録。J1で16位に終わった昨季はこの時間帯でリーグワーストの19失点だった。そのため、反町康治監督(52)は失点しやすい「クリティカル・フェーズ(重要な局面)」と呼び、選手に危機管理を促してきた。数値では状況は改善したかのように見えるが、勝ち切れない勝負弱さは、この時間帯に度々顔を出した。

 残り15分で喫した8失点は全てリード時。守り勝とうという意識が空回りしたのかゴール前のボールへ多くの選手が関わりにいき、逆に相手にスペースを与えてしまうシーンが何度も見られた。中でも勝ち点3が1に減少した4試合は失点がいずれも後半40分以降という最終盤。手痛い一撃で勝ち点を取りこぼした。

 昇格PO準決勝の岡山戦はそんな今季を象徴するような試合になった。山雅が決勝点を許したのは同点の後半ロスタイム47分。リーグ戦の順位で上回るため、守り切れば引き分けでも決勝進出が決まっていた。試合終了後、MF岩間雄大(30)は「リーグ戦からこういうシーンは何度もあったが、改善し切れなかった」と漏らした。重圧がかかる場面で普段通りの力を出すことの難しさを、イレブンは改めて感じたに違いない。

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2016年11月29日のニュース