×

憲剛緊急出場も実らず 大久保は涙「悔しいし、寂しい」

[ 2016年11月24日 06:15 ]

明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ準決勝  ( 2016年11月23日    等々力 )

<川崎F・鹿島>試合終了後、ガックリの中村(中)ら川崎Fイレブン
Photo By スポニチ

 死力を尽くして戦った川崎Fの選手たちは、リーグ優勝の夢がついえた瞬間、ガックリと芝の上に崩れ落ちた。主将の中村はぼうぜんと宙を見つめ、大久保は突っ伏して涙を流した。年間順位で鹿島を上回っているため、引き分けでも決勝に進めたが、後半5分に一瞬の隙を突かれた1点が最後まで重くのしかかった。風間監督は「素晴らしい戦いをした敗者だった」と選手をねぎらったが、大一番での勝負弱さをまたも覆すことはできなかった。

 中心選手の中村、小林、大島が負傷を抱えていた。指揮官は12日の天皇杯浦和戦に続いて三好、板倉のU―19日本代表コンビと新人長谷川を先発に送ったが、その長谷川が前半21分に左太腿裏を痛めて交代。急きょ左足の付け根を痛めている中村をピッチに送った。スクランブル発進の司令塔を中心に持ち前のパスワークで再三、チャンスをつくったが、ゴールは遠かった。

 中村は「何も考えられない。喪失感が大きすぎる。決めるところで決められなかった」と、無念の表情。大久保も「うちには怖さがない。パスだけではDFを動かせない。(ボールを)失うのを怖がり、仕掛けるやつがいない。結局は崩せなかった」と華麗なパスサッカーに潜む問題点を嘆いた。

 第1ステージも優勝目前で失速。創設20周年でも、J1の頂点にあと一歩届かない無念の歴史を繰り返した。風間監督は今季で退任し、来季から名古屋の監督に就任することが決まっている。大久保もFC東京に移籍する。「最後までこのチームを変えられなかった。悔しいし、寂しい」と語ったエースは「このサッカーで優勝したかったというのはある。最後は笑って終わりたい」とようやく前を向いた。今季残されたタイトルはベスト8に残る天皇杯のみ。悲願にもう一度、挑戦する。

続きを表示

この記事のフォト

2016年11月24日のニュース