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金崎 罪滅ぼし決勝ヘッド!8月“造反”も…石井監督のため!

[ 2016年11月24日 05:30 ]

明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ準決勝  ( 2016年11月23日    等々力 )

<川崎・鹿島>後半、鹿島・金崎はヘディングでゴールを決める
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 下克上へ、エースが大仕事だ。第1ステージ覇者の鹿島と年間勝ち点2位の川崎Fによるチャンピオンシップ(CS)準決勝が23日、等々力陸上競技場で行われ、鹿島が1―0で勝利した。後半5分、FW金崎夢生(27)がダイビングヘッドで決勝点をマーク。マン・オブ・ザ・マッチに輝いた。年間勝ち点で「13」離されていた川崎Fを下し、18個目の国内主要タイトルに王手。年間勝ち点1位の浦和との決勝はホームアンドアウェー方式で行われ、29日にホーム、来月3日にアウェーで戦う。

 それは、チームメートでさえ驚くほどの喜び方だった。芝に投げ出した体を起こすと、金崎は両手の拳を握り、吠えた。ゴール裏に突き進み、右手の拳を下から力強く突き上げた。「いや~、やっと入りました。あざっす。いいボール入ったんで、合わせるだけでした!」。苦しい時を乗り越えて、ここ一番の舞台でネットを揺らした。

 本能で体が動いた。後半5分、DF山本からの低い左クロスにニアで反応。夢中で体を投げ出した。「(駆け引きは)何も考えていない。いいところに決められて良かった」。DF昌子は言った。「見慣れん喜び方をしていた。これがエース。ドラマチックやった。チームが一番勢いに乗る人が点を決めて、この上ない勝利だった」。

 第1ステージ覇者の歯車が狂った責任の一端を感じていた。8月20日、金崎は過ちを犯した。途中交代に激高して石井監督との握手を拒否。和を乱し、指揮官が一時休養する事態に発展した。あれから3カ月。試合後は2度も繰り返した。「石井さん中心にチームがまとまって、いいプレーができた。この1年間、石井さんの下にみんな集まってやっていた」。指揮官に白星を贈れたことが何よりうれしかった。

 第1ステージ(S)は15戦で8得点を挙げたが、第2Sは15戦で2得点と失速した。夏にFWカイオが移籍。相手DFのマークが集中したことで苦しんだ。結果が出ないいら立ち。焦り。しかし、この日も相手のマークを受けたが、感情をコントロールできない姿はない。観戦に訪れたハリルホジッチ日本代表監督からは「金崎も良ければもちろん呼びます。私の考えは皆さん知っていると思いますが、一番良い選手を選ぶ」と代表復帰の可能性を示唆された。

 攻撃だけではない。前線からのプレッシャーで守備でも貢献した。得点後、チームがブロックを敷く守りに切り替えると、今度は前線でキープし時間をつくった。「勝ってうれしい。ほとんどフロンターレのペースでしたけど、ある意味鹿島らしくできた」。チームは7年ぶり4連敗で終えたリーグ戦から本来の姿を取り戻した。鹿島らしさとは、17個の国内主要タイトルを獲ってきた歴史が築いた勝負強さ。数少ないチャンスをものにする決定力、時間、展開に応じた試合運びだ。エースが体現した常勝軍団のサッカー。鹿島が力強くVロードを突き進んだ。

 ▽鹿島FW金崎の問題行為 8月20日のホーム湘南戦で、0―0の後半25分にFWファブリシオとの交代を告げられて激高した。ピッチからベンチに戻る際、石井監督との握手を拒否。激しいけんまくで指揮官に向かって悪態をつき、その場にいたクラブスタッフに押さえられた。クラブは金崎を厳重注意。日本代表のハリルホジッチ監督は同25日の日本代表メンバー発表会見で自ら金崎の名前を挙げて、チームから無期限で追放する方針を示した。

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2016年11月24日のニュース