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ハリル監督 問題は語学力?協会は通訳サポート強化を検討しては

[ 2016年11月4日 10:30 ]

日本代表・ハリルホジッチ監督

 本当に、ただのジョークなのか。日本代表のハリルホジッチ監督に関して気になる話を耳にした。10月の日本代表合宿。フランス人コーチの1人が、第3GKという立場で復帰した川島に対して「永嗣(川島)のフランス語はバヒド(ハリルホジッチ監督)よりもうまいね」と冗談交じりで話していたという。

 川島といえば、英語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、オランダ語などを話せる語学マニア。8月からフランス1部メスに所属しており、フランス語がより流ちょうになったことはうなずける。だが、ジョークとは言え、比較対象にハリルホジッチ監督の名前が挙がったことは見過ごせない。

 ハリルホジッチ監督はボスニア・ヘルツェゴビナ出身で、95年にフランス国籍を取得。母国語はボスニア語だが、日本代表を指導する際は樋渡群通訳を介してフランス語で指揮を執っている。フランス語通訳の知人は「樋渡通訳の訳は正確。ハリルホジッチ監督のフランス語は語彙(ごい)が乏しいように感じる」と教えてくれた。ハリルホジッチ監督はボスニア・ヘルツェゴビナのクラブで育ち、フランスに生活拠点を置いたのはナントに移籍した29歳の時が初めて。ネーティブ並のフランス語力がない可能性は十分にある。

 指揮官は、GKだけを集めた10月の日本代表候補合宿の初日に「身長1メートル90以上ないと良いGKとは言えない。残念ながら身長がないと、ハイレベルでは戦えないのが現実」と断言。招集した6人中4人が1メートル90に満たなかっただけに波紋を呼んだが、語学力の問題でオブラートに包んだ言い回しができなかったことも考えられる。

 指揮官の裏表のない直接的な表現に、個人的には好感を持っているが、選手の心をつかむためには言葉を巧みに操る能力も重要になる。シビアな戦いが続くW杯アジア最終予選では一言一言の重みも増す。日本協会はハリルホジッチ監督のフランス語力を検証して、状況次第ではボスニア語の通訳を加えるなどのサポートを検討してはどうか。(記者コラム)

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2016年11月4日のニュース