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U19日本 全6戦完封で鉄壁V!死闘PK戦制し初のアジア王者

[ 2016年11月1日 05:30 ]

U―19アジア選手権で初優勝し、トロフィーを手に喜ぶ主将の坂井(10)ら日本代表イレブン

 U―19アジア選手権の決勝がバーレーン・マナマで行われ、U―19日本代表がサウジアラビアと0―0のままPK戦にまでもつれた激闘を5―3で制し、初優勝した。全6試合無失点の堅守が光った20年東京五輪の中心世代が、年代別代表で唯一手にしていなかったアジア王者に輝いた。MVPにはMF堂安(どうあん)律(18=G大阪)が選ばれた。5大会ぶりに出場する17年U―20W杯韓国大会は、来年5月20日から6月11日に開催される。 U―19日本代表メンバー  試合日程&結果  U―19アジア選手権

 “東京世代”が、ついにアジアの壁をこじ開けた。PK戦4―3で迎えた5人目。キッカーの小川が右隅へ叩き込み、死闘に終止符を打った。7度目の決勝で達成した初戴冠に、歓喜の輪が出来上がる。マナマの夜空に優勝トロフィーを突き上げた坂井主将は「23人全員とスタッフのみんなで勝ち獲れた優勝」と喜びに浸った。

 内山監督は「厳しいタフな試合をよく戦ってくれた」と選手を称えた。相手の攻撃にひたすら耐える展開。立ち上がりにポスト直撃のシュートを浴びた。だが、焦らなかった。過去に攻撃陣の強引な仕掛けから速攻を食らった経験を踏まえ、試合前の円陣では「我慢する時間もある。全員でやり抜こう」と確認。得点が奪えなくても前線の選手は走り、中山、冨安の両センターバックを助けた。J1で今季25試合に出場していた中山は「自分たちのコンセプトの中、受け身にならず、積極的に守れた」と胸を張る。6試合連続無失点でPK戦につなげ、試合前日の予行演習通りに蹴り込み全員が成功。試合巧者ぶりを発揮した。

 20年東京五輪の中核の世代である自覚もイレブンの背中を押していた。試合前の選手ミーティング。「俺は2年前、U―17W杯を逃した。今度こそ世界で戦いたい。チームの勝利だけを考えて戦う」。そう真っ先に話したのが大会MVPの堂安だった。「東京五輪で期待してもらうため、結果を残さないといけない」。そんな強い覚悟があったと明かす。その思いはこのチームの誰もが持っている。「この世代に生まれたことに感謝したい」と小川は言った。

 アジア王者の看板を引っ提げ、来年5月のU―20W杯に挑む。小川とともにチーム最多の3得点を挙げた岩崎は「優勝は自信になる。世界大会で日本とアジアを代表して戦いたい」と決意を込めた。日本サッカー界の未来を明るく照らした東京世代が、次なる戦いに視線を向けた。

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