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長友所属のインテル、3連敗で降格ゾーンに5差低迷 不振の原因6項目とは

[ 2016年10月24日 18:34 ]

インテルのフランク・デブール監督(AP)
Photo By AP

 日本代表DF長友佑都(30)の所属するセリエAのインテル・ミラノは23日に敵地でアタランタに1―2で敗れ、今季公式戦では12試合目で早くも6敗目となる黒星を喫した。リーグ戦はこれで3連敗、順位も降格ゾーンに勝ち点5差の14位まで下がった。これを受け、24日付のイタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」はチームの不振の原因を分析。6つの項目に分けて報じている。

 (1)前オーナーの責任 外貨獲得のため今夏の米国ツアーは延長され、シーズンへの準備はほとんど皆無。そもそもスタートが悪かった。とくにマンチーニ問題は深刻だった。開幕前にチームを去ったマンチーニ前監督は、8月末までチームに留まったものの、クラブ内ではそれ以前から完全に浮いた存在だった。トヒル会長は最初からデブールを新指揮官としてプッシュしていたと言われ、マンチーニは終焉に近いことを肌で感じていた。もし指揮官を替えたかったのであれば、最初から替えておくべきだった。

 (2)新オーナーの責任 インドネシア人のトヒル会長から株式を買収し、筆頭株主となった中国・サニンググループは今夏、補強に多額の資金を注入。だが、会長職にはそのままトヒルが残り、クラブの役員も半分はそのまま残留。それにより、現在は誰がデブールの去就、さらには後任について最終決断するのかも、まったく分からないカオス状態。

 (3)補強の失敗 アタランタ戦ではDFアンサルディ、MFカンドレーバ(←ラツィオ)、MFバネガ(←セビリア)、FWガブリエル・バルボーザ(←サントス)がベンチスタート。この5選手のうち4人が今夏に獲得された新戦力。新戦力で先発メンバーに名を連ねたのは、ジョアン・マリオ(←スポルティング・リスボン)だけで、彼もアタランタ戦ではネガディブな結果に終わっている。カンドレーバはターンオーバーで、アンサルディは途中出場だったが、最大の謎は多額の移籍金が支払われ獲得されたガブリエル・バルゾーザとバネガ。ガブリエル・バルボーザの入団発表は、まるでiPhone9が発売されたかのような大々的なものだったが、出場時間はこれまでわずか。バネガは明らかにデブール監督のサッカーに合っておらず、ベストの起用法も謎のまま。

 (4)監督責任 今となっては、誰の目にも明らかなのがこの問題。攻守のバランスが築けていないシーズン当初の状況から、今は徐々にサッカーのアイディア欠如へと指揮官への見方が変わりつつある。デブールはユベントス戦勝利のあと、チームの骨組みを見つけられず、選手起用など選択でかなりのミスを犯している。ディフェンス面でのオートマチズム構築も先は見えず、選手の士気も上がっているようには思えない。

 (5)選手の責任 もちろん選手の責任回避は避けられない。個人のミスは数えきれず、オフ・ザ・ボールの動きもほぼ皆無。フィジカルコンディションについても疑問符が付き、プレーの選択ミスも数知れず。

 (6)サポーターの責任 これはイカルディ問題が大多数を占めるが、イカルディ主将へのクルバノルド(インテルの過激なサポーターが陣取るゴール裏の名称)の抗議により、スタジアムはイカルディ擁護派と反イカルディ派で二分されている。イカルディはアタランタ戦でシュートゼロ。イカルディが最近発売した自伝で語った内容がクルバノルドの怒りを買い、このこともチームにとってまったくプラスとはなっていない。

 ガゼッタ紙によれば、24日にもミラノ(インテルの本拠地)―ジャカルタ(トヒル会長)―南京(サニンググループ)の3都市をつないだ緊急トップ会談が行われる予定で、この日のうちにデブール監督が解任される可能性も浮上しているという。

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2016年10月24日のニュース