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浦和“闘牛作戦”で1冠 相手の積極プレスいなしてスキを突く

[ 2016年10月15日 05:30 ]

ルヴァン杯決勝 ( 2016年10月15日    埼玉 )

優勝カップを手に健闘を誓う(左から)G大阪・長谷川監督、倉田、浦和・阿部、ペトロヴィッチ監督
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 浦和とG大阪が激突するルヴァン杯決勝は、15日に埼玉スタジアムで行われる。3年ぶりの決勝進出となった浦和は、前がかりになった相手をいなす“闘牛作戦”で得点のチャンスをうかがう。4―0で大勝した1日のリーグ戦で相手のラフプレーにより右肋骨を骨折したMF阿部勇樹(35)は強行出場の構え。過去の因縁は胸にしまい、したたかに13年ぶりのリーグ杯タイトルを狙う。

 あえて同じ土俵には乗らない。3年ぶりのファイナルに臨む浦和は、相手の闘争心を逆手に取る。埼玉スタジアム内で行われた公式会見。ペトロヴィッチ監督とともに出席した阿部は「自分たちの良さ、やってきたことをピッチ上で出して戦いたい」と冷静に語った。1日のリーグ戦では相手MF遠藤のラフプレーで右肋骨を骨折。「ここにいるということは、大丈夫だと思う」。強行出場を明言した主将は、恨みつらみは胸にしまい勝利だけを目指す。

 宿敵の手の内はお見通しだ。4―0で圧勝した直近の対戦では引いて守った相手を完全に崩し切り、大勝につなげた。その反省から相手は前線から激しく圧力をかけることが予想される。宇賀神は「相手がプレッシャーをかけてくるならありがたい。相手を走らせて、チャンスで仕留められれば」と対策の一端を明かした。赤いユニホーム目掛けて突っ込んでくる相手をパスワークでいなし、逆に空いたスペースを突く。直近の直接対決で圧勝した浦和は公式戦8連勝中。さらに本拠地の埼玉スタジアムという地の利に加え、前回の大勝劇で精神的にも優位に立つ。相手のプレッシャーをいなす“闘牛作戦”は余裕の表れだ。

 浦和がリーグ杯決勝に駒を進めるのは6度目。過去5度は1勝4敗と大きく負け越しているが、何度も苦杯をなめたG大阪に痛快な勝利を収めることで屈辱の過去と決別できる。12年から指揮を執りながら無冠のペトロヴィッチ監督は「タイトルの懸かる試合で、成し遂げられない過去があった。次こそはという思いで戦っている」と決意をにじませる。07年のACL制覇以来の主要タイトル獲得へ。歴史の針を進める準備はできている。

 ▽ルヴァン杯 旧ヤマザキ・ナビスコ杯。特別協賛社の商号変更に伴い、今季の決勝トーナメントから改称された。92年に始まったナビスコ杯は「同一スポンサーによる世界最長のプロサッカー大会」として13年にギネス世界記録に認定された。一発勝負の決勝は、90分間で勝敗が決しない場合は30分間(前後半各15分)の延長戦を行い、それでも決しない場合はPK戦を行う。

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