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蛍 劇的バースデー弾!ロスタイム5分 ハリル監督解任危機救った

[ 2016年10月7日 05:30 ]

W杯アジア最終予選 ( 2016年10月6日    埼玉 )

<日本・イラク>試合終了間際に決勝ゴールを決め喜ぶ山口(右)
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 6大会連続出場を目指す日本代表は6日、2連敗中の格下イラクと対戦し、2―1で辛くも勝利した。1―1で迎えた後半50分にMF山口蛍(26=C大阪)が劇的な決勝弾。引き分け以下なら解任の可能性があったバヒド・ハリルホジッチ監督(64)を、首の皮一枚で救った。2勝1敗で勝ち点を6とした日本は、11日に敵地でオーストラリアと対戦する。

 地鳴りのような5万7768人の歓声が響き渡った。それまでのフラストレーションを爆発させるように、日本代表ベンチに歓喜の輪ができた。輪の中心でもみくちゃにされたのはハリルジャパン唯一のJ2戦士。山口蛍だった。

 「思い切って打とう、と。しっかり抑えられて良かった。いつもやったら(シュートを)ふかしてしまうけど、ホッとしています」

 1―1で迎えた後半ロスタイム。清武のFKが相手DFにクリアされたボールに反応した。エリア内へ飛び込み、ダイレクトボレー。地をはうような右足シュートは、豪快にネットを揺らした。15年8月の東アジア杯・韓国戦以来となるA代表通算2得点目。くしくも、この日26度目のバースデーを迎えた男が解任危機に立たされているハリルホジッチ監督に、これ以上ないプレゼントを贈った。

 自らの力を、自らの足で証明した。昨オフにハノーバー(現ドイツ2部)へ移籍したが、わずか半年でJ2のC大阪に出戻り。9月のアジア最終予選で代表に復帰したが、ハリルホジッチ監督からは「全く喜んでいない。戻ってくることを私は評価しない」と酷評された。それでも山口は「国内組でもできるというのを見せないといけないと思った。毎試合、何かを見せないといけないと思っている」と奮起。C大阪ではプレーの幅を広げるために攻撃的なプレーを模索。大熊監督と話し合い、ゲームメークにこだわった。代表のコーチ陣からも「もっと攻撃の起点に」などとアドバイスを送られ、縦パスや攻撃参加のタイミングに磨きをかけてきた。その成果が、大一番で出た。

 「あまり得点を取らない選手が取ってくれてうれしい。ハセ(長谷部)とホタルには得点を取ったらシャンパンをおごってやる、と冗談を言っていたんだ」とハリルホジッチ監督も手のひらを返したように喜んだ。

 「交代のチョイスに選んでもらった信頼に応えないといけない。これからも長くサッカー人生を続けたいし、26歳の最初がこれで良かった。ここまで劇的なのはない」

 次戦はB組で最大のライバル・オーストラリア戦。普段は控えめな守備職人が、アウェーで再び輝きを放つ。

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