Ｕ１６日本、決勝進出ならず…久保は途中出場も不発

Ｕ―１６日本代表ＦＷの久保建英

Ｕ―１６アジア選手権準決勝 Ｕ―１６日本代表２―４Ｕ―１６イラク代表

（9月29日 インド・ゴア）
　Ｕ―１６アジア選手権の準決勝が２９日、インドのゴアで行われ、日本はイラクに２―４で敗れた。ＦＷ山田寛人（１６＝Ｃ大阪Ｕ―１８）が２得点を挙げ、一度は逆転に成功したが、後半に３失点を喫した。来年８月開幕のＵ―１７Ｗ杯出場権は獲得したものの５大会ぶり３度目の優勝はならず今大会から姿を消すことになった。

　アジアの壁は予想以上に高かった。１度は逆転に成功したものの、再びリードを許しての敗北。準々決勝まで４試合２２得点無失点と勢いに乗る日本が決勝に進めずに散った。試合終了後は多くの選手が号泣。「非常に悔しい敗戦」と森山監督は話し、主将のＭＦ福岡は「悔しいの一言。速い相手に一瞬の隙でやられて、課題になった」と振り返った。

　シンプルに放り込むイラクに苦しむ展開。前半１９分、ハイボールの処理を誤ったＤＦ瀬古のミスからＦＷダウードに先制を許す。だが、今大会４試合目での初失点に日本は目を覚ます。同３０分、ＭＦ平川の鋭いロングパスに山田が反応。右サイドを抜け出すと、２タッチで体勢を整え右足で同点ゴールを突き刺した。同４２分にも左サイドに流れた山田のクロスが、そのままゴール右へ吸い込まれる勝ち越し弾。今大会３得点に積み上げた背番号１８が意地を見せた。

　だが、後半に悪夢が待っていた。一進一退の攻防が続き、後半１４分にはエースのＦＷ久保を投入。それでもロングボールを多用する相手に押し込まれ、２２分に２点目を許す。３５分にはペナルティーエリア内で相手を倒した瀬古が２枚目の警告を受けて退場。そのＰＫを右上にぶち込まれて試合をひっくり返された。「まだスタートラインに立っただけ」。そう語っていた久保を中心に最後まで攻撃の姿勢を貫いたが、後半ロスタイムにも再びＰＫを決められトドメを刺された。

　４強進出で来夏のＵ―１７Ｗ杯出場権を得たが、５大会ぶり３度目のアジア制覇には失敗した。「この悔しさを胸に刻んで、一からスタートしたい」と森山監督は話し、「世界で借りを返したい」と福岡は言う。来年、同じ場所で開催される世界舞台でリベンジを目指す。