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川崎F2―0ロスタイム9分のドラマ 失点→失点→小林劇的V弾

[ 2016年9月26日 05:30 ]

<川崎F・横浜>後半ロスタイム、栗原に平手打ちを食らいながらゴールを決める小林(右)

明治安田生命J1第2S第13節 川崎3―2横浜

(9月25日 等々力)
 明治安田生命J1第2ステージ(S)第13節は25日に各地で行われ、年間順位で首位の川崎Fが、試合終了間際に日本代表FW小林悠(29)の決勝ゴールで横浜を下し、年間3位以内が確定。初のチャンピオンシップ(CS)進出を決めた。また年間順位で2位の浦和も広島に3―0で快勝し、2年連続CS出場を決めた。一方、降格圏の名古屋は15位・新潟に勝ち点差1と肉薄。年間17、18位の湘南と福岡は次節にもJ2降格が決まる。

 ロスタイムの激しい点の取り合いを制した。後半のロスタイムもすでに9分が経過。だが、執念でボールを追いCKを獲得。ファーサイドの田坂が折り返すと、小林がこん身のヘディングシュート。混戦にケリをつけた。

 「ボールがちょっとマイナス気味だったが、しっかり(頭を)振ることだけ考えた。追いつかれた時はあり得ない、何やってんだと思ったが、まだ時間がありそうだったので絶対に俺が決めて勝たせると思った」と日本代表の自負をのぞかせた。

 誰もが川崎Fの勝利を確信していた。90分間を終えて2―0。そこで電光掲示板にロスタイム「9分」と掲示された。GK新井が脳振とうで交代するなど、長い中断があり、それがドラマの幕開けだった。

 同51分にゴール前のこぼれ球を横浜・中町が決めて1点差。同53分には斎藤、伊藤とつながれて2―2の同点に追いつかれた。わずか2分間で2失点。だが一度は膝をついた川崎Fの選手はもう一度スイッチを入れ小林の決勝点につなげた。

 大久保とエドゥアルド・ネットが出場停止、守護神の?成龍(チョンソンリョン)もケガで欠場と主力3人を欠いた。さらに後半4分にGK新井がゴール前の競り合いで頭を強打。プレーを続けたが、24分に再び異常を訴え、J1初出場の高木が急きょゴールを守った。まさに全員でつかんだ白星だった。

 「追いつかれてみんな座っていたので、終わってないぞと言った。2―0から2―2になっても諦めずに走った。この勝ち点3は次に生かせる」と主将の中村は振り返る。年間順位で3位以内が確定し、CSの出場が決定。「ホッとしたがまだ通過点、残り4試合チャンピオンを目指してやるだけ」と悲願の初優勝へ向け、主将は前を見据えた。

 ≪残り4試合でCS決めた浦和と川崎F≫ 川崎Fと浦和がリーグ戦4試合を残し、早くも「2016チャンピオンシップ(CS)」進出を決めた。両チームの年間勝ち点は川崎Fが66、浦和が64。CSは年間勝ち点3位までが出場できるが、現在年間勝ち点4位のG大阪が残り4試合を全勝しても勝ち点63止まりのため、年間3位以内が確定し、CS出場が決まった。第1ステージ優勝の鹿島(現在年間勝ち点3位)に次いで、これでCS進出決定は3チームとなった。
 ステージ優勝よりも年間勝ち点が優先されるCSは最大5チームが出場可能。川崎Fと浦和は年間最終順位によってトーナメント(図)のA~Cに入る。残り2枠の出場権は年間勝ち点の残り1チームと第2ステージ優勝チーム。すでに出場が決まった3チームがこれに該当すれば、CSは3または4チームによる開催となる。

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