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本田 初戦黒星での出場率は0%も「たかが一敗」逆境に燃える

[ 2016年9月4日 05:30 ]

現地在住の日本人の子どもたちと話をする本田

W杯アジア最終予選B組第2戦 日本―タイ

(9月6日 ラジャマンガラスタジアム)
 6日にアウェーで18年W杯ロシア大会アジア最終予選タイ戦を控える日本代表は3日、バンコク到着後、初練習を行った。アジア最終予選初戦で敗れたチームは過去W杯出場確率0%との記録にFW本田圭佑(30=ACミラン)は歴史を覆すことを宣言。数々の逆境を乗り越えてきた大黒柱は闘志を燃やした。また前日2日の練習を回避したMF香川真司(27=ドルトムント)とFW岡崎慎司(30=レスター)が練習に復帰した。

 笑っていた。“壁”が立ちはだかっていることを本田はむしろ喜んでいた。1日のUAE戦での黒星。過去にアジア最終予選初戦で負けたチームはいずれも本大会の切符を逃している。W杯出場確率は0%。だが、突き付けられた絶望的な数字も本田にとっては好物だった。

 「危機感としてはあります。ただ0%なので大会を棄権します、というわけにもいかない。やるからには勝ちたい。(W杯に)出なければいけない使命感も持っている。そういう歴史を聞かされると燃える。それだけ難しいことなんでしょうけど、結果で示したい」

 “本田史”をひもとけば、何度も困難な状況や逆境をひっくり返してきた。08~09年は16得点13アシストを記録し、2部に降格していたVVVフェンロ(オランダ)を1部昇格へ導いた。10年W杯南アフリカ大会は直前の親善試合でチームの調子が上がらない中、大会前にレギュラーを奪取。ベスト16進出の立役者になった。13年W杯アジア最終予選、オーストラリア戦では土壇場で同点PKを決め、5大会連続W杯出場を決定させた。「これ以上のプレッシャーは今までもあった。(UAE戦は)たかが1敗」。力強く言い放った。

 タイ撃破のイメージもできつつある。1日に行われたサウジアラビア―タイの映像を見て「崩すイメージ、ボールを奪うイメージ…頭の中に対策はある。攻守において2、3個ずつ持っている」と自信。UAE戦と同じ轍(てつ)を踏むつもりはない。

 この日の練習場は05年6月8日、W杯ドイツ大会出場を決めたスタジアムだった。当時の戦いは「覚えていない」と話したが、印象的なW杯アジア最終予選にはフランス切符をつかんだ97年の“ジョホールバルの歓喜”を挙げた。97年も監督交代など苦しい状態から持ち直し、イランとの第3代表決定戦で延長Vゴール勝利。劇的な初出場を決めた。

 今回、確率上ではW杯フランス大会の予選を超える厳しい状況に追い込まれている。だが、0%がどうした?その壁を壊す突破口を本田が開く。

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