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隼磨 80日ぶりピッチ!9・18群馬戦で復帰へ

[ 2016年8月25日 05:30 ]

実戦復帰へ向け大きな一歩を踏み出したJ2松本の田中隼磨

 J2松本の大黒柱が80日ぶりに帰ってきた。右眼裂孔原性網膜剥離(みぎめれっこうげんせいもうまくはくり)で離脱していたDF田中隼磨(34)が24日、かりがねサッカー場での全体練習に合流した。ほとんどのメニューを消化し、「一日でも早く戻りたい」と意気込んだ。反町康治監督(52)は「見込んでいるのは(9月11日の)京都の次」と、9月18日の群馬戦での復帰に期待を込めた。

【J2順位表】

 隼磨にはピッチがよく似合う。22日に自身のブログで右眼完治を報告するとこの日、6月5日以来の全体練習参加。接触のあるメニューは回避も、それ以外は全て消化した。ボールを蹴るだけでなくヘディングも行い、シャトルランでは変わらぬ全力疾走。クールダウンのランニングを“定位置”の1列目で行い、DF飯田やFW柳下らと談笑するなど表情から充実感があふれた。

 強い日差しの中約2時間のメニューを終え、まず「公式戦のピッチに戻って(初めて)戻ってきたと言える。過酷だけどしっかり乗り越えて、強くなってピッチに戻りたい」と熱い決意を語った。その上で「チームメートとできるのは幸せ。いい汗をかけた。病院のベッドにいるよりは最高」と笑顔を見せた。

 サッカー人生最大のピンチだった。手術直後は全治不明で、「診断を受けた時、前向きになることができなかった。まさかこうやって戻れるっていうことも考えられなかった」。19日に横浜市内の病院で完治の診断を受け「またサッカーができると言われた時は本当にうれしかった。それくらいの“病気”だったから」と喜びをかみ締める。真摯(しんし)に治療に取り組んだ結果、右眼の視力は受傷前よりも上がった。

 こうなると気になるのは実戦復帰の時期。現時点では未定だが「やれと言われればやるしかない。体はずっと元気。あとはコンディション次第」と闘志を燃やす。反町監督は「(現在は)サイドが攻撃の起点になりづらい状況」と背番号3の重要性を口にし、「9月最初の2週間はフィジカルトレーニング。3週目からが勝負だろう」と、再昇格への重圧がさらに増す終盤戦での活躍をイメージしている。

 「いろんな支えや励ましのメール、手紙で前向きになれた。これは俺がみんなに返さないといけない借り。本当に励まされたので今度はみんなを励ます番です」。実りの秋へ、これ以上ない戦力が帰ってきた。

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2016年8月25日のニュース