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浅野 アーセナル決定的!独移籍から急転プレミア名門から破格オファー

[ 2016年6月30日 05:30 ]

U―23南アフリカ代表に勝利し、サポーターに手を振る浅野(左端)

 広島のU―23日本代表FW浅野拓磨(21)が、イングランドのアーセナルへ移籍することが29日、決定的となった。前日(28日)に正式な獲得オファーが広島側に届いた。複数の関係者によると、アーセナルは移籍金500万ポンド(約6億9000万円)を用意しているという。獲得に乗り出していたドイツ1部アウクスブルクなどの提示を大幅に上回る好条件で移籍先が急転。29日のU―23南アフリカ戦(松本)でも1得点1アシストと活躍したスピードスターが、海を渡る日が近づいてきた。

 次代を担うスピードスターの新天地が、欧州屈指の名門へと急転した。プレミアリーグのアーセナルが浅野に電撃オファー。広島幹部によれば、28日に正式な書類が届き「獲得に向けた交渉をさせてほしい」という旨が明記されていたという。

 アーセナル側は移籍金として500万ポンドを用意。300万ユーロ(約3億4000万円)のオファーを受けていたアウクスブルク、対抗馬のザルツブルク(オーストリア)を大きく上回る好条件だ。浅野には広島の新スタジアム建設のため少しでも多くの移籍金をクラブに残したい意向があり、アーセナル移籍を決断することが決定的となった。

 U―23南アフリカ戦後、浅野は「チームに帰って話し合いたい」とした上で率直な思いを口にした。「海外がゴールではないけど、自分を高められるならチャレンジしたいと思っている。(アーセナルには)ちょっとびっくりしたけど、どこに行ってもできる自信は持ってる」。リーグ優勝13回の強豪を率いるのは、かつて名古屋でも指揮を執ったベンゲル監督。過去にはMF稲本(現J2札幌)やFW宮市(現ザンクトパウリ)の日本人選手が在籍していた。

 今後は移籍1年目にどこでプレーするかが焦点となる。英国は労働許可証の審査が厳しく、移籍1年目に取得が認められなかった宮市は加入後、オランダのフェイエノールトへと期限付き移籍。有望選手には特例で取得が許可されることもあり、宮市は2季目に労働許可証を取得してアーセナルでプレーした。浅野は取得に必要とみられる過去2年間の国際Aマッチ出場75%という条件に対して15・6%。ただ、例外申請は可能で、能力が認められればアーセナルや他のプレミアクラブに期限付き移籍してプレーが可能となる。認められない場合はフェイエノールトなど他国に期限付き移籍をすることになる。

 「レンタルになっても自分は常に与えられた環境で100%頑張ることしか考えない」と浅野。7月1日から広島に再合流の予定で、クラブ幹部は「戻ってきてから本人と話すことになる」と語った。クラブ間で合意すれば、目標としてきた欧州挑戦が実現する。

 ▽アーセナル 1886年、東ロンドンにあるウールウィッチの兵器工場の労働者が創設した。エンブレムの大砲のマーク、愛称ガナーズ(砲撃手)はその名残。タイトルはリーグ戦13回、FA杯12回(歴代最多)などを誇り、どの時代も多くの代表選手を抱えるプレミアリーグを代表する強豪。15~16年シーズンのリーグ戦は前半戦を首位で折り返すもケガ人が相次ぎ、2位で終えた。ホームはエミレーツ・スタジアム(収容人員6万人)。

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