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カズ“イチ流”49歳弾!今季もJ2最年長記録を更新

[ 2016年6月20日 05:30 ]

<横浜FC・岐阜>前半、ヘディングでゴールを決める横浜FC・三浦(11)

明治安田生命 J2第19節 横浜FC1―2岐阜

(6月19日 ニッパツ)
 J2横浜FCの元日本代表FW三浦知良(49)が19日、ホームの岐阜戦で待望の今季初ゴールを決めた。前半22分、MF小野瀬康介(23)の右クロスに頭で合わせた。カズの得点は昨年6月28日の水戸戦以来、約1年ぶりで自身の持つJリーグ最年長ゴール記録を49歳3カ月24日に大幅に更新した。試合は後半14分にカズが交代した後に勝ち越され、1―2で敗れた。
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 これがキングたるゆえんだ。前半22分、カズは決定機を逃さなかった。MF小野瀬から右クロスが入ったゴール前。バックステップを踏み、難しい体勢ながら頭でミートした。「いいボールが来ると信じていた」。待望の今季初得点。乱舞するスタンド。かつての盟友で敵将ラモス監督の前で華麗なステップを披露し、約1年ぶりのカズダンスを見舞った。

 「ずっと頭の中にあった」と試合後のカズは言った。親交ある大リーグ、マーリンズのイチローが、16日に日米通算4257安打の金字塔を打ち立てた。昨年11月、神戸で再会。ともに40代。フル出場が当たり前だった以前とは違い、限られた出場機会でいかに結果を残すか。自然とそんな話題になった。大切なのは試合に出ない日も愚直に準備を続けること。カズもこの日が先発5戦目だった。イチローの活躍が大きな刺激となっていた。

 イチローにはすぐに祝福メールを送った。「返答はありがとうございます、と。あとは女子高生みたいな内容なんで」と笑わせた。だが米国内で日米通算安打の価値が議論されていることに話題が及ぶと真顔になった。「やってる方からすれば日米でもJ1、2でも思いは同じ。積み重ねの重みは変わらない。だから僕も続けられる」。これがキングの神髄だった。

 49歳3カ月24日。だが肉体には確固たる自信を持つ。昨年末、ブラジルの名門コリンチャンスを訪問。世界屈指の最新鋭器具で肉体チェックを受けた。体脂肪率は驚異の9・2%。「筋肉量はブラジル人選手と遜色なかった」。そのデータを基に新たなトレーニングも始めた。全体練習後も中森明菜、都はるみら昭和の歌謡曲を大音量で流しながら階段ダッシュ、重りを持っての腹筋などを繰り返すのだ。

 この朝は南米選手権とマーリンズ戦を見てから会場に乗り込んだ。従来なら第二の母国ブラジルの敗退後はW杯も見ないが「なぜ勝てないのか、見てみようと思った」と探求心はとどまることを知らない。「5月下旬ごろから心技体が整い、チャンスさえもらえれば決められる自信はあった。次もゴールを決めて今度は試合に勝ちたい」。Jリーグ最年長得点の金字塔も通過点にすぎない。

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