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大久保 悲願初V決める!地元・福岡戦に300人を自腹で招待

[ 2016年6月14日 05:30 ]

練習後、福岡戦に向けた意気込みを語る川崎FのFW大久保

 ステージ優勝の悲願達成へ川崎FのFW大久保嘉人(34)が自ら舞台を整えた。優勝決定の可能性がある次節18日のアウェー福岡戦に地元の友人ら約300人を招待することを13日に明かした。指定席のチケット価格は最低でも1枚3600円で、総額100万円超の大盤振る舞い。福岡を下せば、他カードの結果次第で最終節を前に第1ステージ制覇が決まる。大きな声援を背に、自らのゴールで歓喜の瞬間を迎える意気込みだ。

 地元の福岡で迎える大一番。「さすがにお金は払わせられない」という男気で、大久保は友人らにチケット300枚をプレゼントした。小学校、中学校、そして国見高(長崎)の同級生やその家族、サッカー少年団の子供たちなどが駆けつける。「楽しみですよ。(これだけ席を用意するのは)初めて」。オフ明けの13日、室内での筋力トレを終えたエースは柔らかい笑顔を浮かべた。

 プロ生活16年目。国内ではいまだに優勝経験がない。「ファースト(ステージ)だからね。まだ喜べないね」と控えめながら、自力優勝ができる立場に「大きいよ。かなり大きい。自分たち次第だから」と瞳を輝かせた。前節の横浜戦ではJ1通算166点目を記録。得点ランク2位につけるが、欲しいのは得点王よりもチームの勲章だ。

 川崎Fはかつて、福岡を相手に「博多の森の悲劇」と呼ばれる死闘を演じた。98年に初開催された一発勝負のJ1昇格決定戦1回戦で激突。JFLの川崎FはJリーグの福岡に後半ロスタイムで追いつかれ、延長戦で逆転された。大久保は当時「フロンターレを知らなかった」という高校生。6421日後の同じ場所で、クラブの歴史を背負う運命を担った。

 クラブ同士の因縁に加え、福岡は自身が現在のJ1クラブで唯一得点を挙げたことがないチームでもある。ゴールを決めて“コレクション”に加えたい。相手は最下位ながら「足をすくわれないように集中して最初から畳みかける気持ちでいきたい」と油断はない。多くの友人を呼ぶことでアウェーを“ホーム”に変えて迎える決戦の時。特別なゴールで「博多の森の歓喜」を呼び込む。

 ▽J1参入決定戦 翌99年からのJリーグ1、2部制導入を前に行われた。Jリーグからは97、98年総合成績で15位以下の市原(現千葉)、札幌、神戸、福岡、JFLからは川崎Fが参加した。福岡―川崎Fの1回戦のみ一発勝負で福岡が3―2で突破し、川崎FのJ2が確定した。2回戦以降はホーム&アウェー方式。市原、神戸、福岡がJ1参入を決めた。

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2016年6月14日のニュース