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ハリル采配ズバリ!香川&清武を同時起用 大黒柱・本田の不在を逆手に

[ 2016年6月4日 07:51 ]

<日本・ブルガリア>香川2点目に笑顔のハリルホジッチ監督

キリン杯・準決勝 日本7―2ブルガリア

(6月3日 豊田ス)
 欧州勢との初対戦で、ハリルホジッチ監督の采配が的中した。左膝裏痛を抱える本田の欠場を受け、就任後初めて香川、清武を2列目で同時に先発起用。右MFには14年10月14日のブラジル戦以来の先発となる小林悠を配置した。「本田はこの数年、キープレーヤーだった。彼に代わる選手は簡単に現れないでしょう。本田がいないのは残念だが、他の選手にチャンスを与える」。試合前には大黒柱の不在を嘆いていたが、1トップの岡崎を加えた前線4人が機能して大勝を収めた。

 事前合宿で就任からチームに落とし込んできた項目を箇条書きにした紙を全選手に配布した。縦に速い攻撃、ボールを失ったら6秒以内に奪い返す守備、デュエルなどのポイントを再確認させ、ロッカールームやリラックスルームにも同様の紙を貼るなど徹底した。後半開始からは岡崎に代えて金崎を投入。後半14分にはU―23世代の浅野、後半39分には国際Aマッチ出場2戦目となる昌子をピッチに送り出した。9月に始まるW杯アジア最終予選を見据え、チームの成熟と新戦力の積極起用の両立を目指した。

 ジレンマもある。ハリルホジッチ監督はアウェーでの欧州勢との試合を熱望しており「キリン杯がなければ、もちろん海外でやりました。ただキリン杯は国内でやるもの」と説明。興行面も重視する日本協会の方針の中、チームの強化を進めることを強いられている。ブルガリアも長距離移動や時差ボケで本来の調子には程遠く、理想のマッチメークではなかった。

 それでも過去1分け4敗と未勝利だった天敵から初白星を挙げ、7日の決勝では母国ボスニア・ヘルツェゴビナと対戦する。敵将バズダレビッチ監督とは友人で、ハリルホジッチ監督は「ボスニアはブルガリアよりさらに強いチーム。非常に楽しみ」と力を込めた。2失点した守備など課題を修正して、初タイトルを懸けた決戦に臨む。

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2016年6月4日のニュース