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J全滅…浦和 壮絶死闘PK戦で力尽く…延長後半、李2発も

[ 2016年5月26日 05:30 ]

延長後半10分、2点目のゴールを決める李

ACL決勝トーナメント1回戦第2戦 浦和2―3(PK6―7)FCソウル

(5月25日 ソウル・ワールドカップスタジアム)
 08年以来8年ぶりの8強進出を目指した浦和はPK戦の末に散った。25日、敵地でFCソウル(韓国)と対戦。第1戦に1―0で先勝していたが、前半29分に失点し、2戦合計1―1で延長戦にもつれ込んだ。延長後半7分と10分にFW李忠成(30)が立て続けに得点したが、ロスタイムに失点して2戦合計3―3となり、PK戦は6―7で競り負けた。日本勢は8強を前に全4クラブが姿を消した。

 駒井の涙が敗戦の意味を物語っていた。8人目のPKを右へ蹴り、GKに阻まれた。直後に相手がPKを決め、16強で敗退。「自分のせいでチームが負けてしまった。人生で一番最悪。経験したことのない失望感がある」。両手を膝に置いたまま動けない。主将の阿部に肩を抱かれ「切り替えろ」と声を掛けられた。

 1点リードで敵地に乗り込んだ第2戦は、急転直下の連続。前半29分に遠藤がパスカットされ、2戦合計で同点に戻される。そのまま90分の笛が鳴り、優勝した07年準決勝の城南(韓国)戦以来となる延長戦に突入。選手、スタッフ全員で円陣を組んで臨んだ運命の30分間でドラマが続いた。

 同前半4分に先制を許したが、後半に李が頭と左足ボレーで2得点。勝利目前となった後半ロスタイムにミドル弾をねじ込まれ、PK戦に持ち込まれた。「90分で決められなかったのが敗因。2回勝つチャンスがあってモノにできなかったら負ける。3回目は来ない」と李。2戦計180分はアウェーゴールが多い方が勝ち上がる規定がある。延長戦を含めれば浦和の2―0だが、今大会は延長戦に適用されない。日本代表として11年アジア杯決勝の延長でボレー弾を決めた“延長男”の活躍も、敵地での悲哀を浮かび上がらせた。PK戦も4―3で5人目のキッカーを務めたGK西川が外し、8人目まで及んだサドンデスで屈した。「真ん中を狙ったのは後悔していない。外す時は外す時。止められなかった方が悔しい」。試合開始からPK戦終了まで174分を要した死闘を西川は静かに振り返った。

 日本勢最後のとりでだったが、08年以来となる8強進出を逃した。李は「今季のアジアのベストゲーム」と悔しさを押し殺し、槙野は「来年は1次リーグ突破ではなく16強の壁を越えないといけない。リーグに影響しないようにしないといけない」と受け止めた。ソウルでの悲劇を経験した07年覇者。来年はJリーグ覇者の看板を引っ提げ、この舞台に戻ってくる。

 ▽アウェーゴール規定 ホーム&アウェー方式の対戦で2戦合計スコアが同点の場合、アウェーでの得点が多いチームを勝利とする勝敗決定方式。2試合を終えてアウェーゴールも同じ場合、PK戦へ直行(リベルタドーレス杯は決勝以外で適用)か、2戦目の競技場で延長戦を行うが、延長でもアウェーゴール規定を適用する大会(W杯予選、欧州CLなど)と、適用しない大会(ACL、北中米カリブ海CLなど)がある。適用の場合はアウェーゴールがない2戦目のホームチームが、適用しない場合は延長戦の分アウェーチームが、やや不利とされる。

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