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35歳FW巻、涙のリーグ復帰戦 惜敗にも「思いは届けることができたかな」

[ 2016年5月15日 18:37 ]

<千葉・熊本>前半、千葉・多々良(左)とボールを競り合う巻

明治安田生命J2第13節 熊本0―2千葉

(5月15日 フクアリ)
 明治安田生命J2リーグは15日、各地で第13節の11試合が行われ、熊本地震の影響によりリーグ戦5試合が中止となった熊本が敵地で千葉と対戦。4月9日の山口戦(うまスタ)以来36日ぶりとなる公式戦だったが、0―2で敗れて3連敗を喫した。

 かつて在籍した古巣・千葉との1戦で3月26日の第5節・長崎戦(長崎県立)以来今季2度目の先発メンバーに名を連ねた熊本県宇城市出身の元日本代表FW巻誠一郎(35)は今季最長の84分間にわたってプレー。前半30分には相手選手と激しく接触していったんピッチ外へ出ながらもすぐに戻り、後半39分まで気力でプレーした。

 試合後、熊本イレブンは「がんばろう!九州・熊本 熊本とともに。 絆 180万馬力」と書かれた横断幕を持って場内を一周し、対戦相手・千葉のサポーターが陣取るゴール裏でも深々と頭を下げて挨拶。巻は熊本サポーターはもちろん、千葉時代の自身のユニホームを高々と掲げるたくさんの千葉サポーターに向けても涙を浮かべながら何度も手を振り、頭を下げた。

 「本当に熊本の仲間たちのところだったり、熊本の人たちのところに勝ち点1でも1点でも多く届けたかったっていうのが正直(なところ)ですし、そういう復興へ向けての一歩だったり、勇気だったり、そういうものを届けられれば良かったと思うんですけど、結果は自分たちの思い通りにはなかなかいかなかったですけど、それでも誰も、誰一人として最後まで諦めずにボールを追いかけていたし、ひたむきに走っていたし、ゴールを目指してたんで。そういう思いは、少なくとも、届けることができたかなと思います」と一言一言かみしめるように話した巻。そのプレーと思いは、きっと被災地となった故郷に届いたはずだ。

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