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広島 新スタジアム具体案を提示 県、市含めた4者会談実現なるか

[ 2016年5月14日 09:00 ]

 広島は13日、旧市民球場跡地に建設を計画する新スタジアムに関する記者会見を広島市内で開き、久保允誉会長(66)が具体案などを示した。3月3日に、独自で作製した「ヒロシマ・ピース・メモリアルスタジアム」(仮)のプランを発表。その後、広島県、広島市、広島商公会議所の作業部会から確認事項の問い合わせが届いていた。

 これに対して回答するため、広島は各トップが集う4者会談を3月15日から6回にわたって要請してきた。だが、郊外の広島みなと公園での建設を計画してきた県や市などからは、2カ月半が経った今も実現していない。そこで、作業部会からの確認事項に対する回答を、今回の会見で説明する運びとなった。

 久保会長は、現在の旧市民球場跡地にある施設の移転や、サッカー以外でのスタジアムの活用方法など、提案したい計画を具体的に披露。建設のための整備費140億円の試算についても説明した。広島側の案は、建設費140億円での2万6000人収容規模。県や市、商工会議所による作業部会の案は、同260億円による3万人規模。建設候補地だけでなく、スタジアム自体でも意見の相違が生じている。

 だが、何よりもまず建設地を一本化しなければ、議論の進展は見られない。トップによる4者会談の場を待ち続ける久保会長は「(野球場の)マツダスタジアムでは十分な議論がなされたのに、なぜサッカーではできないのか。トップが方針を出さないと決まらない。トップ会議をすることで、本当の意味で前に進む」と話し合いの場を求める。

 広島が旧市民球場跡地での建設にこだわっている理由は、建設後の収益に加え「新スタジアムがコンパクトシティーを目指す上でのキーワードになるから」と久保会長。「イングランドに行けば、街のド真ん中にスタジアムがある。中心地に集うことが、今からのスタジアムの方向性。Jリーグも欧州型のスタジアムを作っていきたい」と続けた。Jリーグや県サッカー協会、日本サッカー協会から賛同を得ており、Jリーグの村井チェアマンからは「今後のサッカースタジアムの作り方を変えてほしい。いくらでも応援します」と激励を受けているという。

 広島が確認事項に対する回答を明確に示したことで、今後は各トップによる4者会談が開かれるかに注目が集まる。

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2016年5月14日のニュース