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高倉監督就任!東京五輪金へ 世代の枠超え、なでしこ全結集

[ 2016年4月28日 05:30 ]

就任会見を終え写真に納まる(左から)今井女子委員長、高倉新監督、田嶋会長

 日本協会は27日、なでしこジャパンの新監督にU―20女子日本代表の高倉麻子監督(48)の就任を発表し、就任会見を開いた。史上初の女性監督となった高倉監督はU―20の「ヤングなでしこ」を兼任し、年代などの枠組みを超えた“オールなでしこ”で19年W杯フランス大会、20年東京五輪での優勝を狙うことを宣言した。新生なでしこの初陣は、6月の米国遠征で世界王者の米国と対戦する。

 なでしこ再建へ、サイは投げられた。日本サッカーで史上初のA代表女性監督となる“高倉ジャパン”が誕生。「日本人にしかできないサッカーを追求したい。目指すのは、どの大会でも優勝です」。無数のフラッシュがたかれた中で、主役はよどみなく言い切った。

 かつてのレジェンドが、指揮官として戻ってきた。現役時代になでしこの草分け的存在として道を切り開くと、澤穂希ら後輩たちが世界の頂点に押し上げた。「また(リーダーとしての)バトンが戻ってきたら受けようと考えていた」とA代表への思いが再燃。14年U―17W杯で日本を優勝に導いた確かな指導力に加え、12年U―20W杯、15年W杯にプレーを読み解くFIFAのテクニカル・スタディー・グループの一員として参加した分析力にも定評がある。満を持しての抜てきに「ずっと最初に歩く役割だった気がする。女性であることに引っ掛かることは一つもない」と話し、自覚と自信がにじみ出た。

 なでしこ流を貫き、頂点に返り咲く。07年から若手育成に携わってきた指揮官は「日本のスタイルを崩すことはない」と言う。ショートパスをつなぐパスサッカーを継承し「一人一人が思考を止めない、状況判断に優れたサッカーをしていきたい」と進化を目指す。根幹にはある願いがある。「大切なことは、みんなが一つになること」。女子サッカーの方向性を決める協会女子委員会の今井純子委員長、U―20代表でコンビを組み、なでしこでも入閣が予想される大部由美コーチら女性スタッフを軸に、女子サッカーに関わる全ての人へ、結集を呼び掛けた。

 初陣は6月の米国との親善試合。「日本代表は、その時に一番いいパフォーマンスをしている選手を選考することが基準になる」とベテランの経験と若手の伸びしろを見定める。「20年東京五輪でメダルを獲ることが大きな目的。そのスタートをなるべく早く切っていく」。新指揮官の下、新生なでしこが動きだす。

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2016年4月28日のニュース