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浦和8年ぶり決勝T進出 敵地で奮闘ドロー

[ 2016年4月21日 05:30 ]

<浦和・シドニーFC>前半、シュートを放つ浦和・武藤

ACL1次リーグH組 浦和0―0シドニーFC

(4月20日 シドニー)
 各地で1次リーグ第5戦が行われ、H組の浦和はアウェーで首位シドニーFC(オーストラリア)と0―0で引き分け、同組2位以内が確定。08年以来8年ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。U―23日本代表主将のDF遠藤航(23)ら守備陣の奮闘もあり、苦戦が続く日本勢の中で決勝トーナメント一番乗りとなった。同組で昨年の覇者・広州恒大(中国)、昨季のJリーグ王者の広島は1次リーグ敗退が決定。ホームで0―3の完敗を喫したE組のFC東京は首位を明け渡した。

 必死に耐えた先に、8年ぶりの決勝トーナメントが待っていた。前半30分に相手のミドルシュートをGK西川が両手で防げば、後半7分には遠藤がFKに合わせた相手のシュートを体ごとブロックして難を逃れた。「チームにとっていい試合だった」とペトロヴィッチ監督も及第点を付ける。激しい攻撃を受けながらも、守備陣の集中は切れなかった。

 戦況を見極め、割り切った。引き分け以上で1次リーグ突破が決まる大一番だが、16日のリーグ戦から中3日で疲労が蓄積された状態。17日には強風の影響で成田空港発の航空機の出発が3時間以上も遅れた。さらに18日にラグビーの試合が行われた影響で、会場の芝がはがれるなど悪条件が重なった。攻撃が身上の浦和だが、押し込まれた終盤は守備に軸足を置く“ギアチェンジ”が奏功。「勝ち点1でも決勝トーナメントに行けるので、後半15~20分からは勝ち点1を取りにいった」と遠藤はうなずき、槙野は「自分たちのサッカーが通用しなかった昨年の敗退が、自分たちを大きく動かしている」と胸を張った。

 08年は決勝トーナメントからの登場だったため、1次リーグ突破に限れば日本勢として初優勝した07年以来2回目。13、15年と1次リーグの壁にはじかれたペトロヴィッチ体制下では、三度目の正直で第1関門をこじ開けた。強豪ぞろいのH組をくぐり抜け、決勝トーナメント1回戦ではF組1位が確定したFCソウル(韓国)か同2位の山東魯能(中国)との対決が待つ。「決勝トーナメントへ向けて頑張っていきたい」と遠藤は前だけを見据える。かつてのアジア覇者が、復権への足がかりをつかんだ。

 ◆08年ACL 前年にアジア王者となった浦和は1次リーグを免除されて決勝トーナメントから出場(この規定は08年まで)。アルカデディシア(クウェート)と対戦した準々決勝はアウェーの第1戦で2―3で敗れるも、ホームの第2戦を2―0で勝利してベスト4へ進出。準決勝はG大阪との日本勢対決。アウェーの第1戦は1―1のドロー。ホームの第2戦は高原の得点で先制も、G大阪に後半だけで3ゴールを許し、浦和のアジア連覇はならず。G大阪が最終的に優勝した。

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2016年4月21日のニュース