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Jリーグ原博実副理事長 α波全開!本来のサービス精神戻る

[ 2016年3月28日 13:00 ]

 Jリーグの原博実副理事長(57)に本来のサービス精神が戻ってきた。田嶋幸三氏との一騎打ちとなった1月31日の日本協会会長選に敗れ、日本協会を退職。Jリーグ村井チェアマンからの熱烈オファーを受けて、現職に就いた。日本協会の技術委員長、専務理事時代は厳しい表情で取材に応じることが多かったが、就任直後には文京区JFAハウス内の記者室に、ふらりと立ち寄り報道陣と談笑。籠から放たれた鳥のように伸び伸びしており「日本協会にいた時は話せないことが多かったけど、これからは違いますよ」と笑った。

 原副理事長の笑顔を見て、FC東京監督時代の07年を思い出した。当時はオランダ1部ヘラクレスから平山相太が加入。北京五輪アジア予選を戦っていた反町ジャパンのエースとして注目を浴びていた。そんな中、原監督は連日、平山との居残りヘディング練習を実施。自らクロスを上げて「相太、空中で止まれ!」など無茶な指示を出していた。指揮官自らのマンツーマン指導に、番記者は当然、食いつく。平山を鍛えることはもちろんだが、露出を意識する原監督なりの報道陣に対するサービスだった。また、公式戦の控えにGK登録選手を入れないなど斬新な采配も記憶に残る。杓子定規でない柔軟な発想が魅力だった。

 日本協会専務理事時代は海外出張を控えていたが、今後はACLのアウェー戦や欧州リーグなど積極的に海外視察を行う方針。「トゥーロンには是非、行きたい」とU―23日本代表が出場する5月のトゥーロン国際大会にも足を運ぶ意向を示している。日本サッカーの課題である育成面の改革に向け、大好きなスペインに滞在して世界最高峰のサッカーに触れる機会も増える可能性が高い。

 ストレスのないリラックスした状況で脳からα波が出た時にインスピレーションは発揮される。会長選に敗れて、追われるように日本協会を離れたことは事実だが、原副理事長が就任時に語った「Jリーグに行った方が自分の得意分野で力を発揮できると思った」という思いに偽りはないだろう。人間万事塞翁が馬。α波全開の原副理事長の活躍に期待したい。(記者コラム・木本 新也)

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2016年3月28日のニュース