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なでしこ 消えた自力五輪 岩渕先制弾も…韓国と痛恨ドロー

[ 2016年3月3日 05:30 ]

<日本・韓国>韓国に引き分け厳しい表情の福元(中央)らなでしこイレブン

リオデジャネイロ五輪アジア最終予選第2戦 日本1―1韓国

(3月2日 金鳥スタ)
 黒星発進の日本は第2戦で韓国と対戦し、1―1で引き分けた。後半39分に途中出場のFW岩渕真奈(22=バイエルンM)が先制のヘディングシュートを決めたものの、直後の42分に失点し、勝ち点1を得るにとどまった。2試合を終えて5位の日本は、早くも自力でのリオデジャネイロ五輪出場が消滅。4大会連続の五輪切符へ希望をつなぐため、4日の中国戦で必勝を期す。

 天国から地獄に叩き落とされた。後半39分に先制に成功し、歓喜にわいた3分後だった。左サイドのクロスをキャッチしようとしたGK福元が、DF熊谷と交錯しキャッチミス。こぼれ球をFW鄭楔檳(チョンソルビン)に押し込まれ、勝利を目前に同点にされた。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ガックリとうなだれたのがMF宮間。引退した澤さん不在のなでしこジャパンを引っ張る主将は、先輩からの言葉を引き合いに出し、2試合連続で勝てなかった現状に対しての思いを語った。

 「澤さんに教えられたのが“神さまは見ている”ということ。自分を含めて献身性とかが足りないのかなと。勝負の運をたぐり寄せる努力がちょっと甘いのかなと思う」

 まるでジェットコースターのような試合だった。0―0の後半25分にDF近賀がペナルティーエリア内でハンド。だが、MF池笑然(チソヨン)の蹴ったPKを、福元がコースを完璧に読みストップする。迎えた同39分には、相手GKのミスもあり岩渕が待望の先制点を奪う。勝利への流れをつかんだかに思われたが、接戦で勝負強さを見せてきたかつてのW杯女王の面影はなかった。

 まさかの黒星を喫した初戦のオーストラリア戦から、佐々木監督は先発6人を入れ替えた。システムも4―2―3―1に変更。宮間をトップ下で起用するなど、打開を図るため勝負に出た。序盤から韓国を圧倒しながら肝心な場面で攻め急ぎ、終わってみれば攻撃陣は1得点にとどまるなど、大きな成果は見られなかった。「自分たちのサッカーをやろうという姿勢は悪くなかったが、勝ち点3を呼び込めなかったことが一番の反省。選手より僕が反省しないといけない」と指揮官。積極策も及ばなかった。

 2試合を終えて勝ち点はわずか「1」。5位に沈むなでしこジャパンにとって、早くも自力で五輪切符を獲得できる可能性が消滅した。再び中1日で迎える中国戦は今度こそ勝たなければいけない。佐々木監督は「なかなか勝たせてくれない。もう他力になりますけど、なでしこのサッカーをやるしかない。(五輪出場への)可能性が少しでもあるんで、終わった瞬間から中国戦に切り替えるしかない。それに尽きる」と言葉を絞り出した。4大会連続の五輪出場へ、はい上がるしか道はない。

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