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広島1冠!寿人“らしく1号” 先行投資実ったキックバック弾

[ 2016年2月21日 05:30 ]

<広島・G大阪>後半6分、先制ゴールゴールを決め喜ぶ佐藤。左は柴崎

富士ゼロックス・スーパー杯 広島3―1G大阪

(2月20日 日産ス)
 Jリーグのシーズン幕開けを告げる富士ゼロックス・スーパー杯は20日、横浜市の日産スタジアムで行われ、昨季J1王者の広島が天皇杯覇者のG大阪を3―1で破った。後半6分にFW佐藤寿人(33)が左足で先制弾。チームの今季公式戦第1号を決め、2年ぶり4度目となる同杯制覇に貢献した。同12分にはU―23日本代表FW浅野拓磨(21)がPKを決めるなど、攻撃陣が結果を出し最高のスタートを切った。

 らしさ全開の今季1号で16年シーズンの幕開けを飾った。0―0で迎えた後半6分、DF塩谷から速い右クロスが入ると、DFよりも先に佐藤がニアサイドへ。GKの前に飛び込み、点で合わせるかのように左足かかとでネットを揺らした。エースの技ありの一撃で、ゼロックス杯は4戦全勝となった。

 「動きだしで相手を上回ることができたし、仲間とイメージを共有できた。いいアシストをしてくれたシオ(塩谷)に感謝したい」

 昨季最終節の湘南戦でJ1通算157点目を決め、最多記録を持つ中山雅史(現JFL沼津)に並んだ。自らに注目が集まる中、今までアシストしてくれた選手に感謝の思いを伝えるため、1万円相当のクラッチバッグを作製。今月になって完成し、総勢57人に1つずつ贈った。

 過去にアシストがなかったにもかかわらず、その中の一人に塩谷が入っていた。14年10月22日の第29節FC東京戦。塩谷がPKを獲得し、キッカーを譲ってくれた経緯があったからだ。このPKは失敗に終わったとはいえ「アシストしてくれたようなものだから」と佐藤。プレゼント後に2人のホットラインが開通し「先に渡しといて良かった」と笑顔で振り返った。

 得点を決めた際に左太腿裏に違和感が生じ、2分後の後半8分に負傷交代。大事には至っていないとはいえ、21日に精密検査を受けるか判断することになった。23日にACL1次リーグ初戦となる山東魯能戦があり、27日に川崎FとのJ1開幕戦を控えるなど、過密日程を強いられるシーズン。「試合後の治療はアイシングと圧迫。(今から)帰る新幹線でもしますよ」。今季、目指すべくタイトルはゼロックス杯を含めて6冠。広島のために、新たな一年も背番号11が先頭を走る。

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