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日本8強!久保、待望2発 スイスでもまれ10カ月ぶり弾

[ 2016年1月17日 05:30 ]

<タイ・日本>後半、PKで4点目を奪い、南野(左)と喜ぶ久保

U―23アジア選手権1次リーグB組 日本4―0タイ

(1月15日 カタール・ドーハ)
 リオデジャネイロ五輪出場を目指すU―23日本代表は16日、1次リーグB組第2戦でタイに4―0と快勝し、勝ち点を6に伸ばして一番乗りで準々決勝進出を決めた。途中出場のFW久保裕也(22=ヤングボーイズ)が昨年3月のアジア1次予選マレーシア戦以来の得点を含む2得点。FW鈴木武蔵(21=新潟)も前半27分、豪快な右足ボレーで先制ゴールを決め、FW陣が結果を残した。日本は19日の第3戦でサウジアラビアと激突。1次リーグは各組上位2カ国が準々決勝に進出、大会の上位3カ国が五輪出場権を得る。

 左サイドからゴール右側へ、FW久保が角度を付けながら相手DFラインの裏に抜けた。後半30分、DF岩波がボールを奪った瞬間、パスが来ると信じた。「スペースがあったので狙っていた。本当はゴロで決めたかったけど…入って良かったです」。右足を振り抜いた。ボールは相手GKの両手をはじくと、ふわふわと浮きながら相手ゴールに吸い込まれた。

 後半26分からの途中出場。序盤、FW鈴木の先制弾もベンチから見守った。「うれしかったですよ」と振り返るが、刺激にならないはずがない。後半39分には再びボックス内のスペースに抜けると相手DFに足を掛けられPKを獲得。一瞬「(南野)拓実が誕生日なので蹴らそうと思ったけど」と振り返ったが、譲らなかった。PKは左に決めた。出場20分足らずで2発。ストライカーの本能をむき出しにした。

 スイス移籍3年目。今季は公式戦24試合6得点4アシストを記録し、レギュラーにも定着した。海外でもまれた経験は久保を成長させた。今季こだわったのがフリーランニングの質。プレーの幅は格段に広がった。1点目もまさにその成果。U―23代表では練習試合も含め、ここ3試合得点がなかったが「考えてもしょうがない」。ポジティブ思考で切り替えた。

 所属するヤングボーイズでは通訳もいなければ食事も自炊する。一昨年、柿谷がバーゼルに移籍したが、試合の時にあいさつする程度で一緒に出掛けることもなかった。理由は「自分と向き合わないと海外では戦えない」から。プライベートも削りサッカーに全てを注ぐ。孤独感に打ち勝ったからこそ、どんな状況下でも戦える選手へと成長した。

 次戦は19日のサウジアラビア戦。引き分け以上で1次リーグの1位突破が決まる。今度は先発の可能性もある。「ここが目標ではない。1位で抜けないと意味がない。先制すれば楽になる。FWが点を取ればチームは良くなる」と久保。リオ切符獲得に向け、手倉森ジャパンが加速してきた。

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