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藤枝順心3発女王奪回 故障明け肝付2発&V弾アシスト

[ 2016年1月11日 05:30 ]

<藤枝順心・神村学園>優勝を決め、歓喜の藤枝順心イレブン

スポニチ後援第24回全日本高校女子サッカー選手権最終日 藤枝順心3―2神村学園

(1月10日 兵庫・ノエビアスタジアム神戸)
 藤枝順心(静岡)が3―2で神村学園(鹿児島)に逆転勝ちし、9大会ぶり2度目の優勝を果たした。故障により一時戦線離脱していたFW肝付(きもつき)萌(3年)が2ゴール、1アシストの活躍。前回3位、前々回2位とあと一歩で優勝を逃してきたが、ようやくタイトルを奪い返した。

 ボールを蹴れない時期が少女を強くした。1点を追う後半15分、藤枝順心の肝付がこの日2点目を奪い同点に追いついた。その6分後、今度は左サイドから絶妙なタイミングでクロスを供給。DF安部の決勝ゴールを演出、チームを優勝へと導いた。

 「ずっと点が取れなかったけれど、最後に自分の仕事ができてホッとしてます」

 喜びより先にFWとしての責任感をにじませた。8月のインターハイ後に右足首を負傷した。ポジションを失う危機感に耐え、リハビリに耐えること2カ月強。右足首にはテーピング、そして90分間のフル出場はできないという制限付きながら「絶対にプレーで恩返しする」と誓った通り、最後の大会に滑り込んだ。

 4戦連発中だったエースFW児野(この)にマークが集中するのは織り込み済み。「自分のマークは薄くなるはず。どう動こうか考えていた」とイメージを膨らませ、全得点に絡んだ。

 過去7大会、日ノ本学園と常盤木学園で分け合ってきた高校女子の覇権。絶対的エースの杉田妃和(INAC神戸)が卒業したこともあり、「今季は全国大会に出られないかもしれない」と多々良和之監督は最悪の事態も覚悟したという。インターハイでは1回戦で日ノ本学園に1―3の完敗。だがこの日、圧倒的なポゼッションで、逆転勝ちする真の強さを見せつけた。「みんなの力で勝ち取れた」。復活したヒロインが3強時代の幕開けを高らかに宣言した。

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