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本田同点アシスト 先発争う自身も解任危機指揮官も救った

[ 2016年1月11日 05:30 ]

ローマ戦で競り合う本田(AP)

セリエA・第19節 ACミラン1―1ローマ

(1月9日)
 ACミランの日本代表FW本田圭佑(29)が16年初アシストを記録した。9日のアウェー・ローマ戦に3試合連続で先発出場。後半5分に右サイドからの左足クロスで同点弾を演出して、1―1の引き分けに貢献した。シニシャ・ミハイロビッチ監督(46)の解任危機を救い、先発定着をアピール。一夜明けた10日付の地元紙からも上々の評価を受けた。

 試合後の取材エリア。フル出場した本田は普段通り「お疲れさまです」としか言葉を発しなかったが、表情は明るく、報道陣に手を振る余裕も見せた。監督、フロント批判を展開した昨年10月4日のナポリ戦後は厳しい形相が目立っただけに、久々にポジティブな一面が垣間見えた一コマ。それだけ大きな意味を持つ同点アシストだった。

 値千金のプレーが生まれたのは0―1の後半5分だった。本田はバッカの落としたパスを右サイドで受けると、左足でファーサイドにクロス。フワリとした柔らかい軌道のボールでクカの頭にピタリと合わせた。昨年12月20日のフロジノーネ戦以来2試合ぶりの今季2アシスト目。前半14分にパスミスを犯してサポーターからブーイングを浴びるなど前半は低調なプレーに終始したが、後半は見違えるような動きを見せた。

 負ければ解任の可能性も浮上していたミハイロビッチ監督は試合後の会見で「勝つに値するのは我々だった。結果は残念だが、チームの団結力を見せることができた」と笑顔を見せた。地元紙がボアテングの先発を予想する中、本田をスタメン起用。抜てきに応えて窮地を救ってくれた背番号10に対する評価が上がったことは間違いない。

 一夜明けた10日付の地元紙も本田に上々の評価を与えた。コリエレ・デロ・スポルトは「後半に生まれ変わり値千金のアシストを記録」と記し、ラ・レプブリカは「勤勉だった」とアシスト以外のプレーにも言及。全紙が及第点となる6・0以上の採点をつけた。先発定着への確かな一歩となった16年初アシスト。長いトンネルの出口が見えてきた。

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2016年1月11日のニュース