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星稜、連覇へ逆転発進 河崎監督「ストレスを久々に感じた」

[ 2016年1月3日 05:30 ]

<星稜・玉野光南>後半33分、星稜・加藤(右)が決勝ゴールを決める

第94回全国高校サッカー第3日 星稜2―1玉野光南

(1月2日 NACK)
 昨年の覇者が逆転で初戦を飾った。連覇を狙う星稜(石川)が玉野光南(岡山)に2―1で逆転勝利した。河崎護監督(56)は昨年の大会前に交通事故に遭って優勝を病室で見届けていただけに、自身の2年ぶり選手権勝利に感慨深げな表情を浮かべた。

 ベテラン指揮官が選手権に帰ってきた。自身2年ぶりの勝利を手にした河崎監督は「失点した後は戦況を見つめるだけでしたが、ストレスを久々に感じましたね」としみじみと語った。

 抜てきした孝行息子が試合を決めた。1―1の後半33分、右サイドからのクロスに飛び込んだのは、メンバー登録はDFながら2トップで先発した加藤。右足ダイレクトで合わせてゴール右上に決勝点を流し込んだ。

 1メートル66の控えサイドバックがコンバートされたのは昨年12月だった。県大会でのFW陣のプレーぶりに不安を感じていた指揮官からその走力を買われた。新ポジションに慣れる期間は1カ月だけ。しかし一般入試で入学した努力家はこの起用に奮起する。

 「自分にはスピードも高さもない。運動量だけ。監督はチャンスを絶対にくれるし、いつもアピールしようと思っていた」。動画投稿サイトで見よう見まねで覚えたFWの動きを練習試合で実践しながら体に染みこませていった。

 そして迎えた初戦では前線を駆け巡ってボールを追いかけ、長身DFの並ぶ玉野光南の守備陣をかき回した。「自分は守備で走ったりするのを評価された。チームに貢献できてよかった」と謙虚に振り返った背番号25は、連戦となる中京大中京戦に向けても「走ってチームに貢献したい」と意気込んだ。

 ただ喜んでばかりはいられない。指揮官も「去年のチーム力の半分。個人の力がなさすぎる」と辛口評価。今年の星稜はチームの総合力で連覇を目指す。

 ▼玉野光南・FW土居 全国で勝てば成長できると思っていた。2カ月間、星稜に勝つことだけを考えてきたが、まだ足りなかった。

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