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桐光エース2発!小川、規格外弾も自己採点「40%より低い」

[ 2016年1月3日 05:30 ]

<桐光学園・長崎南山>後半9分 先制ゴールを決める桐光学園・小川

第94回全国高校サッカー第3日 桐光学園3―0長崎南山

(1月2日 等々力)
 2回戦16試合が行われ、今大会初戦となった2大会ぶり9度目出場の桐光学園(神奈川)は、J1磐田内定のU―18日本代表FW小川航基(3年)が2ゴールの活躍を見せ、長崎南山(長崎)を3―0で下した。同校初優勝と得点王の2冠を狙う今大会のスター候補が上々のスタートを切った。

 桐光学園のエースが、大器の片りんを見せた。後半9分、相手のマークをかいくぐり、鋭い右クロスにニアサイドに飛び込み、右足を伸ばした。柔らかいタッチでボールの軌道を変え、左隅にねじ込む圧巻の先制点。31分にもPKで相手の逆を突き、左隅にぶち込んだ。それでも、勝利の立役者となった小川は「満足できない。5、6点は決められた」とストライカーらしい得点へのこだわりを見せた。

 20年東京五輪での活躍が期待されるU―18日本代表の主力。両足や頭でもゴールを狙える万能型で、J1磐田入りが内定している。観戦に訪れた同校OBのMF藤本淳吾(現横浜)から「安心して見られたよ」と声を掛けられたが、自己採点は厳しかった。鈴木監督に「40%。まだまだ彼の力はこんなもんじゃない」と注文を付けられた小川は「40%より低いくらい」と猛省した。

 今大会での活躍を見据え、小川は新たなヒントを得ていた。クラブW杯で優勝したスペインの名門バルセロナが来日中に練習した際、ナイキ社から特別招待を受けて見学が許された。軽めのメニューだったが、動きを参考にしているウルグアイ代表FWスアレスのパス回しを真剣に見つめた。ダイレクトでのボール回しなど基礎技術の高さをあらためて実感したという。「あれだけの技術を持ちたい」。最高の教科書を目の当たりにしたからこそ、ひらめいた1タッチでの技あり先制ゴールだった。
 
 桐光学園は中村俊輔(現横浜)を擁する96年度大会の準優勝が最高成績。鹿児島城西の大迫(現ケルン)が樹立した10ゴールの最多得点超えを狙う小川は、初優勝&得点王の2冠が今大会のミッションだ。「目立つように」と赤と黄色の派手な特注スパイクを履いたのも主役を譲らない自覚の表れだ。「歴史を塗り替えたい」。そう言い切った小川の最後の冬が幕を開けた。
 
 ▼長崎南山・村里監督 途中までは予定通りで、後半10~15分までしのげばチャンスがあると思っていたが…。(初出場で)憧れの舞台は初体験。粘り強く戦う持ち味は出せた。

 ◆小川 航基(おがわ・こうき)1997年(平9)8月8日生まれ、神奈川県横浜市出身の18歳。4歳上の兄・拓朗の影響で幼稚園からサッカーを始め、横浜港北SC、大豆戸FCを経て桐光学園へ入学。1年から主力となり、13年度大会も出場。3年春から主将に就任。50メートル6秒7。1500メートル4分30秒。1日5食と居残りシュート練習が日課。家族は父、母、兄。1メートル83、75キロ。血液型O。背番号9。

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