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大型ボランチ三竿、本人も驚いたU23五輪最終予選残り2枠選出 

[ 2015年12月31日 05:30 ]

五輪最終予選メンバーに選ばれ、会見する三竿

 来年1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23アジア選手権(1月12日開幕、カタール)に出場する日本代表は30日、沖縄県石垣市内での合宿を打ち上げた。手倉森誠監督(48)は帰京後、最終予選メンバー23人のうち、残していた2枠を発表。これまで同代表で国際試合に出場のないDF三竿健斗(19=J2東京V)をサプライズ選出した。もう1人はMF豊川雄太(21=鹿島)が選ばれた。

 年の瀬に手倉森監督がサプライズを用意していた。石垣島から帰京した羽田空港。指揮官は最終予選メンバーで、発表を先送りしていた最後の2人を発表した。「MF豊川、三竿…」。2人目に呼ばれたのはJ1で実績を残している浦和のMF関根でも鳥栖のMF鎌田でもなく、これまでU―22日本代表で公式戦も国際親善試合も出場したことがない19歳だった。

 本人も驚いた。この日、石垣島のホテルでチームが解散する際、指揮官から選出を伝えられた。「選ばれるとは思っていなかったので…。言葉が出ないという感じ。紅白戦(29日)で良いプレーができたわけではなかったので。ビックリしています」と発表後の取材対応で緊張気味に話した。

 中東対策の一手として期待が懸かる。手倉森監督は日本代表MF遠藤をセンターバックで起用した際に、中盤の底で起用する方針だ。他のボランチは大島が1メートル68、原川が1メートル75と高さがないため、1メートル80の三竿を抜てき。「中東相手にオープンな展開にさせられたときにバランスを整えてくれるんじゃないか」と狙いを明かした。理想の選手はバルセロナのスペイン代表MFブスケツ。的確なパスや戦術眼に加え、ボール奪取にも優れた“バルサの心臓”を意識する新顔は「自分の持ち味は相手の攻撃をつぶしたり、球際の強さだと思う。当たりで負けないようにしたい」と訴えた。

 13年U―17W杯に出場するなど各年代別代表に選出されており、国際経験もあるが、この代表では10月の佐賀合宿で初招集されて、今回の石垣島合宿で2度目。「自分が選ばれたが、この世代の代表という思いを持って五輪切符を持って帰ってきたい」。プロ1年生の成り上がりストーリーが1月、カタールから始まる。 

 ◆三竿 健斗(みさお・けんと)1996年(平8)4月16日、東京都生まれの19歳。小学生時代から東京Vの下部組織でプレー。高校3年の14年4月からトップチームの公式戦に出場できる2種登録となる。15年にトップチーム昇格。今季はリーグ戦39試合に出場して無得点。13年U―17W杯に出場するなど各年代別代表に選出された。1メートル80、71キロ。

 ▽リオデジャネイロ五輪男子サッカーアジア最終予選 アジア枠は12年ロンドン五輪の3.5枠から3枠に減り、従来のホーム&アウェー方式から最終予選はセントラル方式に変更された。U―23アジア選手権と兼ねて1月12~30日に行われ、開催国カタールと予選を勝ち抜いた15チームの計16チームが出場。1次リーグは4組に分けられ、9月の抽選で日本はB組で北朝鮮、タイ、サウジアラビアとの対戦が決定。各組上位2チームの計8チームによる決勝トーナメントで上位3チームが五輪出場権を得る。

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