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浦和 9大会ぶり制覇へ王手!3戦連発の李「僕の大会にしたい」

[ 2015年12月30日 05:30 ]

<浦和・柏>延長後半12分、決勝ゴールを決め喜びを爆発させる浦和・李忠成(左は那須)

天皇杯準決勝 浦和1―0柏

(12月29日 味スタ)
 浦和が延長戦の末に柏を1―0で撃破し、9大会ぶりの優勝に王手をかけた。延長後半12分に途中出場の元日本代表FW李忠成(30)が天皇杯3試合連続となる決勝ゴール。Jリーグ・チャンピオンシップ(CS)準決勝でG大阪に敗れた悪夢を払しょくした。来年のACL本戦出場も確定し、07年ACL優勝以来となるタイトルへあと1勝となった。

 ついにタイトルを視界に捉えた。延長後半12分、左サイドを切り裂いた梅崎のクロスに合わせたのは李だ。相手DFの背後にポジションを取り、ピンポイントで合わせた魂のヘディングシュート。右隅を射抜く決勝ゴールとなった。「みんなの思いがこもったパス。あとは決めるだけだった」。感情を爆発させ、ゴール裏に陣取るサポーターに駆け寄った。

 役者が違った。4回戦のJ3町田戦から連続得点中。26日の神戸戦では全3ゴールに絡んだ絶好調のストライカーは決勝へ向けて温存された。試合は無得点のまま進み、体を温めながら「舞台が整ってくれ。俺がヒーローになる」と念じた。延長前半開始から切り札として送り出され、見事に結果を叩き出した。今でも熱い思いを秘める日本代表では11年アジア杯決勝オーストラリア戦の延長後半に優勝を決めるV弾。当時を思い出させる活躍に「この大会はぜひ、僕の大会にしたい」と、主役は譲らない覚悟を見せた。

 苦い記憶も吹き飛ばした。延長開始前の円陣。選手たちは「ガンバ戦の反省を生かそう」と声を出し意思統一を図った。11月28日のG大阪とのCS準決勝では、試合を優位に運びながら延長後半13分から2失点で年間3位にはじき出された。その教訓から、陣形を崩さずに、過度なリスクは冒さない、そしてチャンスではスイッチを入れるという3点を確認。その注意点を貫徹したからこその決勝点にアシストの梅崎は「成長を見せた時間だった」と胸を張った。

 ACL本戦出場権を獲得し、9大会ぶりの天皇杯優勝へあと1勝となった。元日決戦で宿敵G大阪と相まみえるのも、何かの因縁だろう。「勢いに乗っている選手が点を取り、チームも勢いに乗った」と阿部主将。07年ACL優勝を最後にタイトルから遠ざかる浦和。万年V候補が、屈辱のレッテルを剥がす時がついに来た。

 ▼16年ACL出場チーム G大阪と浦和が天皇杯決勝へ進出。勝者は天皇杯王者としての出場となるが、G大阪はJ1リーグ年間2位で本大会出場が決定しているため、決勝の勝敗にかかわらず、プレーオフから出場となっていた浦和(同年間3位)の本大会出場が決まった。また、浦和が繰り上がったためにFC東京(同年間4位)がプレーオフ出場権を獲得した。本大会の組み分けは天皇杯王者がG組、敗者は今季アジア王者・広州恒大(中国)のいるH組に振り分けられる。広島(同年間1位)はF組、FC東京はプレーオフに勝てばE組に入ることがすでに決まっている。

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2015年12月30日のニュース