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レジェンド澤、現役ラストマッチで感動の決勝ヘッド INAC神戸5度目V

[ 2015年12月27日 15:47 ]

<INAC神戸・新潟>後半33分、ゴールを決め大野らとともに喜ぶINAC神戸・澤

第37回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会決勝 INAC神戸1―0新潟

(12月27日 等々力)
 まさにレジェンドだ!第37回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会は27日、神奈川県川崎市の等々力陸上競技場で決勝戦を行い、今季限りでの現役引退を表明しているMF澤穂希(37)が後半33分に自ら頭で決勝ゴールを決め、INAC神戸を4連覇した2013年以来2年ぶり5度目の優勝へと導いた。6度のワールドカップ(W杯)と4度の五輪に出場した“レジェンド”澤が、現役ラストマッチを最高のフィナーレで締めくくり、試合後はチームメートの手で4度宙を舞った。

 歓喜の瞬間が訪れたのは後半33分だった。チームで、そして、なでしこジャパンでもともにプレーしてきた川澄からの右コーナーキック。そのファーサイドに入った澤は周りを多数の選手に囲まれながら、必死の形相で頭を振った。ボールが弧を描いて右隅へ吸い込まれる待望の先制ゴール。笑顔で両手を天に突き上げた澤に、盟友の大野らチームメートが次々抱きつく。そして、ベンチにいる控え選手のもとへと走って喜びを分かち合った澤は、日テレ時代からの恩師・松田監督とハイタッチをかわした。

 11年と13年に続き、この5年間で3度目となったこのカードでの決勝に、澤はボランチで先発出場すると、前半から献身的な守備でチームを引っ張った。0―0で前半を折り返して迎えた後半には、3分、4分とともにコーナーキックから立て続けにヘディングシュート。INAC神戸でもなでしこジャパンでも何度もチームを救ってきたセットプレーで存在感を発揮した。だが、いずれもゴールネットを揺らすことはできず、じりじりした展開が続いていた。

 それでも澤は、要所要所で笑顔を見せながら後輩たちに声をかけ、手を叩いてチームメートを鼓舞。耐えに耐え、迎えた最高の瞬間だった。

 8月に元日本サッカー協会職員の辻上裕章氏(39)と結婚し、その夫が現在運営・広報部長を務める仙台を準決勝で撃破して決勝進出。その愛する夫も見守った試合で、澤が最後の輝きを見せ、まさにレジェンドらしい最高のフィナーレだった。

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