×

大阪高槻1部残留も“再建”遠し 給料3カ月遅配…丸山ら移籍濃厚

[ 2015年12月13日 05:30 ]

1部残留を決め、喜びのジャンプをする大阪高槻イレブン

なでしこリーグ1部・2部入れ替え戦最終戦 大阪高槻0―0ノジマステラ

(12月12日 高槻萩谷)
 なでしこリーグ1部2部入れ替え戦の最終戦が12日、大阪・萩谷サッカー場で行われ、大阪高槻はノジマステラと0―0で引き分けた。第1戦は2―2だったためアウエーゴール数により、1部残留を決めた。運営母体が経営難に陥り、経営陣と現場の確執もある中、本並健治監督(51)を中心にチームが奮起。来季は新スポンサーの下、再出発することが濃厚だが、スタッフ、選手らの動向は不透明だ。

 待ちわびたホイッスルが響くと、大阪高槻の選手は歓喜より先に膝から崩れ落ちた。最後までハラハラドキドキの展開をしのぎ、スコアレスドロー。経営危機が発覚してから半年、価値ある残留を決めた。

 「ホッとした。落ちたら意味がない。残ってこそ価値があると言い続けてきたから」

 真っ先に選手を称えた本並監督が防波堤となってきた。現在、給料が3カ月遅配という状況で、ボール1個買うのすら困窮することもあったが雑音をシャットアウト。選手らも、約600万円ほど集まった支援金の使途などについて不信感を抱き、選手会として募金を実施。遠征費に充てるなどしてきた。「約束を守らないことが多すぎた。だからフロントと現場が離れていった」と元代表のFW丸山もあきれるほど、経営陣と現場の確執は深かった。

 横山稔社長は今後について「チームごとの移管になるかまだ分からないが、チームにとってはいい方向に話が進んでいる」と存続を明かした。ただ本並監督は「まず経営がしっかりしないと。僕自身もステップアップしたい」と退任を示唆。丸山も「本並さんがやるならやるけれど…」と言葉を濁す。フロント陣がもらったレッドカードを払拭(ふっしょく)しないと、笑顔の再出発はかなわない。

続きを表示

この記事のフォト

2015年12月13日のニュース