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大逆転王手!広島劇的ロスタイム2発 アウェー3点圧倒的有利に

[ 2015年12月3日 05:30 ]

<G大阪・広島>後半ロスタイム、柏(中央)は決勝ゴールを決め、コーナーフラッグを手にガッツポーズ

Jリーグチャンピオンシップ決勝第1戦 広島3―2G大阪

(12月2日 万博)
 J1の年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)はホーム&アウェー方式の決勝第1戦が行われ、年間勝ち点1位の広島は敵地で同3位のG大阪に3―2で逆転勝ちした。1点を追う後半ロスタイムにDF佐々木翔(26)とMF柏好文(28)が立て続けにゴール。劇的な勝利で2年ぶりの王座奪回に王手をかけた。G大阪は後半41分にMF呉宰碩(25)が退場処分を受けて流れを失い、下克上Vが遠のいた。第2戦は5日にエディオンスタジアム広島で行われる。

 表示された後半ロスタイムは5分だった。残されたわずかな時間に、劇的すぎるドラマが待っていた。1―2の46分、FKからボールを受けたMF青山がクロスを送り、競り勝った佐々木が執念の同点弾を頭でねじ込む。さらに51分に左クロスからゴール前に混戦が生まれると、こぼれ球に反応したのが柏だ。冷静かつ大胆に右足を振り抜き、広島に勝利をもたらす一撃を突き刺した。

 「“こぼれてこい”と思って、あそこに入っていた。気持ちで押し込むことができた」

 土壇場で試合をひっくり返したヒーローは声を弾ませた。開幕から不動の左ウイングバックとして活躍しながら、9月末に左膝じん帯損傷で約4週間の離脱。MF清水の台頭もあり、復帰後もベンチスタートを強いられた。それでも「途中から出た選手が決定的な仕事をするチームが強い」と気持ちは切らさなかった。MFミキッチに代わり後半24分からピッチに立ち、35分に1点目をアシスト。終了間際のゴールも偶然ではなかった。

 1点目を決めたドウグラスは「団結できたことが勝因。シュートは狙っていたし、入って良かった」と笑い、2点目の佐々木も「みんなが祝福してくれた」と喜んだ。移籍1年目の2人が互いにゴールを奪い、最後は移籍2年目の柏が決めた。14年のJ1クラブの人件費を見ると、広島は上から9番目の13億4900万円。トップの浦和の20億5400万円を大きく下回っている。ビッグクラブより資金力では劣るものの限られた予算でチームに適合する人材を見極めてきた。主力を毎年のように引き抜かれる中的確な補強で戦力を維持。強化部の手腕も凝縮された逆転勝利だった。

 優勝した第2ステージはアウェーで8戦全勝。敵地での強さをCSでも発揮しホームでの第2戦へ圧倒的に有利な状況で折り返した。「(ゴールは)最高だけど、優勝した喜びの方がもっと大きい」と柏。歓喜の瞬間へ、残る90分間も広島が強さを証明する。

 ▼CS第2戦(5日)の行方 アウェーの第1戦で3得点し、逆転勝利した広島が圧倒的に優位だ。ホームの第2戦では○か△はもちろん●でも0―1、1―2ならばアウェーゴール数で上回る広島の優勝となる。G大阪が90分内で逆転優勝するには2得点差以上の○か、4得点以上の1点差○(4―3、5―4…)の場合しかない。G大阪が3―2で○の場合は延長戦(15分ハーフ)へ。決着がつかない場合はPK戦で勝敗を決する。

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