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鹿島・石井監督 3年ぶりタイトルをもたらした“111円を喜ぶ心”

[ 2015年11月21日 14:17 ]

ナビスコ杯を制し、スタッフやベンチの選手たちと喜び合う鹿島・石井監督

 鹿島は22日の第2ステージ最終戦で、名古屋とホームで対戦する。首位・広島と勝ち点3差のステージ2位につけているが、得失点差は12も離されており、逆転優勝は不可能に近い。しかし、ただの“消化試合”にしてはいけない。すでに天皇杯は敗退しており今季最終戦。来季を占う意味でも総決算の一戦となるからだ。

 鹿島は今季、クラブ史上2例目となるシーズン途中での監督解任を経験したが“怒らない監督”の下で立て直しを図り、3年ぶりのタイトルとなるナビスコ杯優勝を飾った。多くの選手が「石井さんのために」と口にするように、新指揮官の求心力は絶大だ。石井監督は時に選手の前で涙することはあっても、感情的に選手に怒りをぶつけたりはしない。「怒ることも(心の)中ではあります。外には出さないだけで。でも、怒りは一瞬で収まります」と明かす。

 S級ライセンス取得時に受けた指導者講習会で、フロー(心理学)理論を学んだのが大きいという。「外的要因に左右されず、自分の心の状態を良く保てば、パフォーマンスは良くなるということ。こっちの機嫌がいいと、選手も機嫌が良くなったりする」と話す。

 ストレスもたまらない性格だという。「僕は小さなことで喜べるんです。そういうことでストレスが解消される。コンビニでおつりが111円だったり。そういうことで喜べるし面白がれる。多分、笑いのレベルはかなり低いと思うんですけど」と笑う。感情に流されない穏やかな指揮官。激動のシーズンを笑って終わるためにも、勝利で締める。 (黒野 有仁)

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2015年11月21日のニュース