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ワイド攻撃だ!本田 ミランでの苦境で人間にも戦術にも“幅”

[ 2015年11月10日 05:30 ]

練習で汗を流す日本代表FW本田(右)

 本田がエースとして、人間として「幅」を出す!W杯アジア2次予選シンガポール戦(12日)に臨む日本代表は9日、シンガポール市内で初練習を行った。FW本田圭佑(29=ACミラン)は前回6月の対戦で0―0と大苦戦した反省を踏まえ、ワイドな攻撃を打倒シンガポールのポイントに挙げた。初日の練習はハリルホジッチ監督によるドリブル実演など基本的なメニューが中心となった。

【W杯アジア2次予選 日本代表メンバー】

 ホットワードは「幅」だった。気温30度、湿度90%超。ランニング、ドリブル練習などで汗を流した合宿初日。頭の中はクールに本田が打倒シンガポールの青写真を描いた。「相手のやり方を見て幅を出すのか出さずに行けるのか。サイドバックの絡みだったり、戦術の部分で同じミスは現場の中で出さないようにしたい」。自身に言い聞かせるような口調だった。

 脳裏にこびりつく6月の屈辱。前回対戦ではゴール前を固める相手を最後まで崩せなかった。ハリルホジッチ監督の代名詞、「縦の速さ」を追求するあまり、ゴール前で手詰まりとなった。結果、シュート23本が空砲に。「スペースを探す意味でも相手陣内でワイドに幅を使う。そこでギャップを突く。前回の反省を生かしていかに打ち破れるか」と言った。

 実は人間としても「幅」が出てきた。ACミランでは7戦連続で先発落ちの苦境が続く。コンディション維持も困難を極めるが、半面、新たな発見もある。「ここまでベンチに座るというのはなかなか…。ただベンチに座る人の気持ちが分かったり、良い意味で違った視点を持てている」。これまでも逆境を糧にしてきた本田。日本代表では引っ張る立場となるが、人としての幅も大きなプラスになりそうだ。

 シンガポールでは昨年10月、ブラジルに0―4で大敗。本田は「上には上がいる」とうちひしがれた。あれから1年、再び因縁の地で自身が試される。守備を固めるシンガポールの守備網を打ち破らない限り、アジアでも苦戦は免れない。「アジアを戦う上での戦いになる。まず勝ちます、勝たないといけない」。エースとして、人間として「幅」を出せるか。さらにピッチで「幅」を利かせる本来の姿を取り戻すことができれば、勝利は決して難しくはない。

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