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テヘランでアウェーの洗礼 盗聴疑惑やホテルの“事故”も

[ 2015年10月25日 14:57 ]

武藤がゴールを決めたが、1―1の引き分けに終わったイランとの国際親善試合

 やはり、アウェーの戦いは難しい…。今月13日にサッカー日本代表がイラン代表と対戦した国際親善試合。敵地テヘランに乗り込んだ日本代表は苦戦し、1―1の引き分けに終わった。だが、選手、そして現場に行った記者にもピッチ外での厳しい戦いが待っていた。

 特筆すべきは、通信環境だった。宿泊ホテルにはwi―fiが完備されていたが、いざ使ってみると全然つながらない…。SNSは全く見られず、日本のインターネットサイトをつなごうとすると謎のペルシャ語が出現。会社に電話をかけた時には会話中に突然、その会話が録音されて再生される現象も頻発した。FIFA理事を務める日本協会の田嶋副会長も「盗聴されているんじゃないか」と疑ったほどだった。

 選手が宿泊するホテルでも“事故”が多かったという。ルームカードの磁気が弱く、フロントに交換を申し出る選手が続出。ある時突然、警報機が鳴る騒ぎもあったという。試合当日の朝、なぜか部屋の内線が鳴ったという選手も数人いたようで、「親善試合なのに…」とある選手はこぼしていた。

 それでも日本代表にとって唯一の明るい材料は、膝をつき合わせた会話ができたこと。オフの時間は各自の部屋でリラックスするのが通例だが、イランでの合宿中は通信環境の良いリラックスルームに多くの選手が集まったという。海外組と国内組で各クラブについて情報交換をするなど有意義な時間となり、夜11時まで盛り上がった日もあった。オフの時間に多くの選手が散発的に集まることはあまりなかっただけに「逆に良かったのかもしれない」とGK西川はプラスに捉えていた。

 シェフの帯同する日本代表には体調を崩した選手やスタッフはいなかったと聞いたが、街中のレストランで夕食を取っていた私は案の定?下痢になった。帰国後には、DF槙野に「マジッすか…。大丈夫ですか」と心配される始末。アジアの戦いは甘くない。そう痛感させられたテヘランでの6日間だった。(大和 弘明)

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2015年10月25日のニュース