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本田 高地で決める魔球FK!「しっかり準備したい」

[ 2015年9月6日 05:30 ]

テヘランで練習を始めた日本代表

 8日に18年W杯ロシア大会アジア2次予選アフガニスタン戦をイランのテヘランで戦う日本代表は5日、現地入りして初練習を行った。試合が行われるアザディ・スタジアムは標高約1200メートルの高地に位置。10年W杯南アフリカ大会デンマーク戦でも約1500メートルの高地でFK弾を決めたFW本田圭佑(29)が、今回も勝利に導く一撃を決める。アウェー扱いのアフガニスタン戦は治安上の理由で中立地で開催される。

 決定力不足にあえぐ日本代表を、本田の一撃が救う。13年8月14日の親善試合ウルグアイ戦以来、FK弾は決めていないが「決めるチャンスがあれば。しっかり準備したい」と意気込んだ。ハリルホジッチ監督は3―0で勝った3日のカンボジア戦後、FK、CKからの得点が少ないことに苦言を呈した。その課題にエースが応える。

 経験はある。アザディ・スタジアムは標高約1200メートル。気圧の低い高地ではボールの伸びや変化が大きくなる。この日はボール回し程度の軽い練習だったため「確認してみないと分からない」と話した。日本で調整してきた感覚と多少ズレが生じる可能性はあるが、W杯南アフリカ大会では標高約1500メートルの地でFK弾を決め、他の選手より経験値は高い。

 9月5日。6年前のこの日は敵地の親善試合オランダ戦でMF中村(現横浜)とFKのキッカーをめぐり、試合中に口論となった。本田は「時間がたつのは早いですね。時間が過ぎるのが早いのは危機感というか、無駄にできないと感じる。人として」とその歳月を振り返り、続けた。「後にも先にも俊さん(中村)よりFKをうまいと思ったことは一度もない。でもあの時は“蹴りたい”と思って主張した。日本の選手であの時のような自分みたいな選手が出てこいとは言わないですけど、面白い経験をしている選手が出てきてもいい」。名古屋から移籍したVVVフェンロではFK練習で主力ではなくても複数の選手が“蹴らせろ”と主張していた。練習中に殴り合いのけんかをして帰る選手もいた。だからこそ、自らの我を通した6年前の“あの時”につながった。そして、日本代表の中心として存在する今の自分がある。

 「(FKは)名手に比べればそこまで…。でも決めるべきところで決めてきた。大事なここというところで。プレッシャーに勝つことで結果を残せれば」

 おとなしい若手たちに手本を示す。そのためにも、アフガニスタン戦はFK弾で勝利に導く。

 ▼10年W杯南アフリカ大会のデンマーク戦 日本は前半17分に約27メートルの位置からFKのチャンスを得ると、これを本田が左足で直接決めて先制。同30分に遠藤も約20メートルの位置から直接FKを決めて追加点。2―1で迎えた後半42分にはゴール前で相手DFとGKを引きつけた本田からの横パスに岡崎が反応。デンマークを3―1で下した。

 ▽テヘラン イランの首都。多くの文化、宗教の中心地。イラン高原北西の標高約1200メートルに位置する。乾燥帯に属し、寒さが厳しい冬は気温氷点下20度を下回ることも。そのため、周辺にスキー場が多い。対して夏は非常に暑く、一年を通して最も暑い7月は平均気温が30度を超える。人口は約1200万人。

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