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武藤、アジア仕様見せる!引いた相手に裏狙いだけじゃ持ち味出ない

[ 2015年9月5日 05:30 ]

笑顔で出発する(左から)丸山、森重、武藤、吉田、山口、長谷部、長友、酒井宏

 日本代表FW武藤嘉紀(23=マインツ)が、アジア仕様の新スタイルを確立する。3―0で勝った18年W杯アジア2次予選のカンボジア戦から一夜明けた4日、チームは午前中に埼玉県内で調整。カンボジア戦で先発したものの、不発に終わった武藤は引いた格下のアジア勢を崩す新たなプレーの必要性を口にした。ハリルジャパンは同日夜にテヘラン(イラン)に向けて成田空港を出発。8日に同2次予選第3戦のアフガニスタン戦に臨む。

 武藤の頭には既に格下撃破の方程式が描かれていた。ハリルジャパン2試合目となるカンボジア戦は得意の左MF、後半途中からは2トップの一角でプレー。何度もゴールに迫ったが、最後までネットを揺らせずに後半20分に交代となった。それでも一夜明けたこの日は「アジアではかなり引いてくる相手が多い。その中で、早いタイミングで(裏に)行き過ぎると自分たちのスペースを消してしまうことが分かった。そこは収穫だと思います」と、プラス材料を強調した。

 武藤の武器は何といっても裏に抜け出すスピード。だが、カンボジアのように自陣に引いて守備を固める格下相手には、裏へのスペースは限られる。武藤も「自分らしさを出すのはやはり難しい」としながらも「そういう相手がアジアではほとんど。そこでもできるようにならないといけない」と言う。実際、カンボジア戦後にはハリルホジッチ監督から「武藤には活躍してほしかった」と辛口の評価を受けた。そこで導き出された答えが新スタイル確立だった。

 武藤は「自分の良さがあまり出ない相手に対する時でも自分が輝けるように、また新たなことを考えないといけない」と続け、「あれだけ下がっている相手に対し、裏ばっかり狙っていると味方のスペースもなくしてしまうし、自分自身も無駄に走ることになる。タイミング良く、(DFラインとMFの)間で受けたりすることが必要かなと思う」と、プレーの幅を広げる考えだ。

 相手は当然、武藤のスピードをケアして裏のスペースを消してくる。それを逆手に取り、相手守備陣のギャップでボールを受けられれば、相手はマークに付いてこられず、素早いターンからのシュート、または味方にパスして2次攻撃につなげられる。攻撃のパターンは格段に増える。

 「代表での得点も、かなり遠ざかって力が入り過ぎてるところもある。リラックスしながら1点取れば、肩の荷もまた下りると思う」。初めてとなる日産自動車のテレビCMも4日からオンエア開始する。人気も実力もまだまだ右肩上がりの武藤が、新スタイルで昨年9月のベネズエラ戦以来の代表2得点目を狙う。

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