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W杯2次予選メンバー発表 ハリル監督“PK獲得講座”開く

[ 2015年8月28日 05:30 ]

今回選んだメンバーの名前がスクリーンに映し出されサムアップするハリルホジッチ監督

 W杯アジア2次予選カンボジア戦(9月3日、埼玉)、アフガニスタン戦(同8日、テヘラン)に臨む日本代表23人が27日、発表された。得点力不足に悩むバヒド・ハリルホジッチ監督(63)は就任後の7試合でPKが一度もないことに着目。現役時代にストライカーだった自らの経験を生かし、攻撃陣に“PK獲得講座”を開く異例の方針を打ち出した。指揮官は会見ではおよそ40分を使って選手個々を寸評し、期待を寄せた。

 一歩間違えばシミュレーションで警告を受けかねない灰色プレーだ。就任後7試合で14得点を記録しているが、真剣勝負の公式大会では4試合3得点と得点力不足は深刻。ハリルホジッチ監督はメンバー発表会見で「7試合で一度もPKがない。ペナルティーエリア内でファウルを誘うプレーは必要。その発想、文化が日本にないかもしれないので、選手とディスカッションしたい」と語った。14年W杯ブラジル大会では全64試合の171得点中PK弾は12。5・33試合に1度はPK弾が生まれる計算で、11メートルの攻防に活路を求めた。

 現役時代の指揮官はユーゴスラビア代表として32試合20得点を記録。フランスリーグで2度の得点王を獲得したストライカーだった。「私は17歳の時からFWで、多くのPKを獲った。ボールを見る代わりに相手を見て、間に入って押されて倒れる。それでチームを勝たせたことが何度もある」と豪語。合宿中は連日の長時間ミーティングが恒例だが、今回は自らの経験を生かして“PK獲得講座”を開く。

 同時に指揮官は「ミドルシュートが少ない」とも指摘した。既にカンボジアの分析に着手し「5人のDFでブロックをつくるので、攻撃のトレーニングで5人のDFを置きたい。低いブロックをいかに不安定にさせるか」と説明。正攻法での得点力アップに意欲を示す場面もあったが、会見を通して強調したのは、やはりPKで「ずる賢くやってほしい。おそらくPKが全てを変えると思う」とまで言った。

 手段を選ばず勝負に徹する姿勢は理解できる。ただ、カンボジアはFIFAランク180位の格下。勝ち点3への道がPK頼みでは、あまりにも悲しい。

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2015年8月28日のニュース